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妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
 酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
 

【あいつとの電話】
 ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
 酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
 

【Shinobu to Yuji 短編集】
 長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
 

 (注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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 いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
 書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
 それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
 皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。

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 こんばんは、酒井しのぶでございます。

 

 グリム童話。皆さん一度は読んだことありますよね。有名ですものね。
 シンデレラに、白雪姫カエルの王子さまに、眠り姫などなど……。
 どれもうっとりするような夢の国のお話です。

 はい、わたくしの小説を読んだことがある皆さまだったら、もうわたくしがなにを言いたいのか、だいたいわかっていただけたかと思います。

 今日ご紹介する本は……

 

本当は恐ろしいグリム童話でございます。

 ご存知のとおり、グリム童話はグリム兄弟による作品です。
 はじめて発刊されたのは、1812年のクリスマスです。(200年もまえなんですね)

 童話というと、子供向けなイメージがありますが、じつは違います。
 グリム兄弟が生きているあいだに、グリム童話は初版から第七版まで作成されました。
 今日、わたくしたちが知っているグリム童話は第七版をもとに、日本語訳されたものです。

 当時は、ゲーテ、シラー、カント、モーツァルト、ベートーベン、ハイドンなどなど、ドイツ文化の絶頂期。過激な民族意識と愛国心の高揚を目指したドイツ・ロマン主義の真っ只中です。当然、ゲルマン民族の歴史、神話、伝説、民話などに対する関心は高まっていました。
 グリム童話はそんな時代背景から生まれています。

 初版のグリム童話は、近親相姦のオンパレードです。
 わたくしが興味を持つ分野です。(ええぇえ!?)
 そのほかにも、妊娠、レイプ、少女愛好などなど、性にまつわるものばかり。
 さらには、継母、子捨てなど、いまの時代じゃ考えられないようなことが、あたりまえのように話の中核に存在しています。
 これには、時代の背景が大きくかかわっています。
 つまり、継母が多かったのは、その時代では珍しいことではなく、子捨てもまた、貧困層ではあたりまえの行為でした。
 捨てられた子供は、死ぬか、性奴隷として誰かに拾われるかですね。

 また、継母の存在はときに、娘にとって父親をめぐる争いを生みだします。ここでもまた、性の問題が出てくるわけです。

 第七版までのあいだに、こうした性にまつわる記述はほとんど排除され、いまのグリム童話が生まれたわけです。

 

 そんなことを踏まえまして、この本、本当は恐ろしいグリム童話は書かれました。
 つまり、この本は原版をもとに作られた、ファンフィクションってことです。

 ファンフィクションですが、原版にかなり忠実らしいです。
 忠実なのに、ファンフィクション……うん、よくわかりませんね、その仕組みが。(笑)

 

 まぁそんなことは置いといて。

 

白雪姫
 はい、いきなり怖いです。ここではまず、継母という設定が解除されています。
 実母って設定になっています。(おお、怖い)
 そんでもって、いきなり王様と白雪姫がチョメチョメしちゃってます。(いやーん)
 いきなりゴシック調の近親相姦ネタです。怖すぎます。
 どういうことかといえばですね、王様が少女フェチなんですね。
 子供くらいの若い妃と結婚するのですが、当然のことながら、妃は歳をとる。
 それで、若い新たな妃が登場する。やってられないわ! ってことになり、子供ができればまた自分を愛してくれるんじゃないかと、せっせこと子作りするのですが、今度は産まれた娘に惚れてしまう王様。(どうしようもないですね、この王様)
 それで、皆さんも知っているとおり、魔法の鏡がよからぬ知恵を貸して、白雪姫は森に捨てられるってわけですが、そこに至る経緯がすごい。
 王様に見初められた白雪姫はわがまま女に変貌しているわけです。もう、あれです、王様は小娘の奴隷みたいなもんなわけです。白雪姫が、あの召使が気に入らないって言えば、王様はその召使を鞭で打ち、あっちの召使が気に入らないっていえば、クビにしてしてしまう。見るに見かねた妃が白雪姫を森に捨て、殺させようとするのですが、家来の男が殺すのをためらって、逃がしてしまうってわけです。
 はいそして、七人の小人に拾われた白雪姫は当然ですが、小人たちの性奴隷になるわけです。ディ○ニーランドで見るような愉快な小人なんかじゃないってわけです。
 でもって、妃が白雪姫に毒を塗った櫛で殺したり、毒林檎を食べさせたりするわけですが、ここでも白雪姫の贅沢病がこれらを引き起こすってわけですね。森のなかで小人と暮らす白雪姫は、櫛だの林檎だのというものに出会って、贅沢の衝動を抑えられないってわけです。
 死んだ白雪姫は王子様に拾われるわけですが、ここでもびっくり仰天します。王子様はなんと死体愛好家だったんです。(ああ、怖い)
 そんでもって毎晩死体を眺めていい気分の王子様なわけですが、喉の林檎が取れて生き返る白雪姫。
 妃に復讐するわけです。中世の魔女狩りのそれ。
 拷問です。真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせてその靴を大きなトンカチで叩くわけです。(うぇ、怖すぎです)
 妃は狂ったように踊り続けて死んでいく。
 おしまい。

 怖いですね、本当に怖い。
 ここで面白いのは、白雪姫がめっちゃくちゃ嫌な女ってところです。
 そして妃がものすごく哀れな女ってところ。
 さらに王様はおバカで、王子様は変態。
 まぁ、男どもはろくでもないんですが、姫と妃の正邪のポジションが、わたくしたちが馴染み親しんだ白雪姫とはちょっと違うってことです。

 

いずれにせよ、ものすごく怖かったです。
 読むんじゃなかったと後悔していますが、なんででしょうか、つぎのシンデレラのページに手が勝手に……(笑)

 

 シンデレラはまた今度お話したしましょう。

 それではまた、酒井しのぶでございました。

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無題
おはようございます。
今日は寒さどうかなー。

めちゃおもしろかったです(^_^;)
グリム童話がほんとは怖いということでいくつか聞いたことはありますが。白雪姫でもこんなに全体は初めてです。
なんか無茶苦茶ですね。
あのかわいい白雪姫ちゃん、ろくな子じゃなかったし、王様がまた変態、王子様も。
グリム兄弟は当時のドイツの民話を収拾したのでしょうから、ドイツの農民の願望というか、幻想がそのまま初版には集められたのでしょうね。
どこの国も庶民の思いはあまり変わらないのですかね。
日本のかちかち山とかもずいぶん怖い話ですね。
公開処刑が行われ娯楽の少ない当時は民衆が押すな押すなのにぎわいで処刑場前は市が立ったそうで、やはり人間の本性、度し難いようですね(^_^;)
手が勝手に進んだシンデレラも期待です(^_^;)

これで十分刺激を受けましたのファックキン・シスターズは次回読ませていただきます。
あいさつ簿にもありがとうございました。
じゃんけん次は勝利をです(*^_^*)
KOZOU URL 2009/12/15(Tue)04:51:12 編集
無題
 こんばんは。
 今日はこれから、シンデレラについて書きますので、お楽しみに。(笑)
 毎日寒いですから、体に気をつけて。
酒井しのぶ 2009/12/15(Tue)18:29:51 編集
無題
そうかあ。こんなお話をつくってしまうドイツ人って、なんて変態なんだろうて、誤解してしまう。

三十年戦争とかあって、荒れた時期の記憶がこういう妄想上の怪物をそだてたのでしょうねえ。
狼皮のスイーツマン URL 2009/12/15(Tue)18:32:25 編集
無題
>スイーツマンさん 
 当時の時代背景や、人々の興味を合わせても、実際に初版はかなりの批判を浴びたそうです。
 
 まぁ、そりゃそうですよね(笑)
 こんな本が普通に売ってたらびっくりしますからね。
酒井しのぶ 2009/12/15(Tue)19:47:05 編集
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