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しのぶのあっちがわ 人生を変えた男 忍者ブログ
妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
 酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
 

【あいつとの電話】
 ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
 酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
 

【Shinobu to Yuji 短編集】
 長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
 

 (注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
 いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
 書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
 それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
 皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。

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 こんばんは、酒井しのぶでございます。

 
 この記事は前回までの続きとなっております。
 前回までの記事は下記からどうぞ。
 人生を変えた男 出会い
 人生を変えた男 激動
 人生を変えた男 愛情

 この記事はきっとフィクションです。(今日はきっとか……。笑)




 一九九〇年八月二十六日、ウィスコンシン州イースト・トロイ市のアルパイン・ヴァレイにあるミュージック・シアターで行われたブルース・フェスティバル。
 エリック・クラプトンは自分の演奏を終えたあとで、先に出演していたギタリストたちを呼び寄せた。ステージには五人のギタリストが横一列に並び、ブルースの名曲『スイートホーム・シカゴ』が二十分にも渡り演奏された。

 そのなかにスティーヴィー・レイ・ヴォーンはいた。会場の歓声は間違いなく彼に向けられていたし、一緒に演奏していたエリック・クラプトンも兄のジミー・ヴォーンも、それを認め、観客と同じ気持でいたに違いない。
 
 ドラッグでどん底に堕ちた男は見事に復活し、この年に発表したアルバムでグラミー賞を勝ち取り、第二の人生をスタートさせたのだ。

 フェスティバルが終わり、一六◯キロも離れたシカゴのホテルに戻るため、バスに向かったスティーヴィー・レイは、同じホテルに向かうヘリコプターに空席ができたのを知り、それに乗り帰ることにした。ヘリコプターのほうがバスよりもずっと早く帰れるし、そのヘリコプターにはエリック・クラプトンのバンドクルーも一緒だったから、退屈する心配もなかった。
 
 だが、濃霧で低空飛行を余儀なくされたヘリコプターは、会場からたいして離れていない山岳に高速で激突し、二十七日未明に全員死亡で発見された。

 運命のいたずらと言うには、あまりに過酷すぎる事故だった。
 自分のバンドクルーが乗っていたエリック・クラプトンと、スティーヴィー・レイの兄ジミーが、検視に立ち会うことになった。
 七十年代には、スティーヴィー・レイと同じようにドラッグでどん底を経験していたクラプトン。だからこそスティーヴィー・レイのドラッグ治療を支え続け、だからこそ復活した彼の姿を誰よりも喜んだのに。まさか昨夜一緒に演奏していた男の検視に立ち会うなどとは、夢にも思わなかったことだろうし、とんでもないショックだったに違いない。
 そして当然、兄ジミー・ヴォーンのショックも量り知れなかった。数週間後には兄弟ではじめて作成したアルバム『ファミリー・スタイル』の発売が決定していたのだ。クラプトンと共に弟を支え続けてきたジミーもまた、無残な姿になった男を見て、これが自分の弟だと証明する残酷な立場に立たされ、大きなショックを受けていた。

 スティーヴィー・レイ・ヴォーンにとって、この『ファミリー・スタイル』には大きな意味があった。
 彼はずっと兄を追い続けてきていた。はじめてギターを手にしたのも兄の影響だったし、プロになるためにダラスからオースティンに出てきたのだって、兄を追いかけてのことだった。常に兄を尊敬し、影響を受けたミュージシャンはという質問に、必ず兄の名を口にしていたスティーヴィー・レイ。
 そんな彼がどん底から這いあがり、やっと兄と肩を並べることができたのが、この『ファミリー・スタイル』だったのだ。

 その発売を見ることなく、三十五年の生涯を閉じてしまうなんて、あまりにも残酷な運命だ。あの日、ヘリコプターに空席があることを知らなければ、たったそれだけのことを知らずにいれば、死なずに済んだのに。


 そんなスティーヴィー・レイ・ヴォーンの悲しい死を思ったときに、真っ先に思い出す曲がある。
 彼自身の曲『Life without you』だ。






 あたしがスティーヴィー・レイ・ヴォーンの死を知ったのは、一ヶ月もあとになってからだった。
 毎月欠かさず購入していた音楽雑誌を買いに本屋さんへ行き、そこでその雑誌を見て彼の死を知った。なにがなんだかわからなかった。書いてあることを理解することができず、別の音楽雑誌を手に取ってみたけど、どれもこれも同じことが書かれていた。
 あたしはその店の音楽雑誌をぜんぶ買って、隣の喫茶店に入り、そこで買った本ぜんぶのスティーヴィー・レイ・ヴォーンに関する記事を読んだ。本屋さんで立ち読みしたときと変わらず、どれもこれも同じことしか書いてなかった。
 
 どういうことだ? って言うのが、まず最初に思ったことだし、一ヶ月も前に死んでいたのか? ってのが、次に思ったことだった。

 あたしはその日、本屋さんで雑誌を買ったあとで、並行輸入のCDを扱っているお店で『ファミリー・スタイル』を買うつもりでいた。それなのに、これはいったいぜんたいなんなんだ? 意味がまったくわからない。
 
 どうなっているのか誰か説明してくれ! って思ってみても、日本じゃスティーヴィー・レイ・ヴォーンのことを知っている人なんてあまりいない。ましてや、あたしの知り合いでスティーヴィー・レイ・ヴォーンを知っている人なんて皆無に等しい有様だったし、知っていてもあたしのように熱をあげている人なんていなかった。


 あたしはこの悲しみと憤りを、誰かに話すことすらできない――


 ニュースでも取りあげられないような、海の向こうのミュージシャンの死について、あたしに説明できる人を探すことすらできない――


 ましてや、もうすでに死んで一ヶ月も過ぎている。
 あたしはいったい、この一ヶ月なにをしていたんだろう。 
 そう思うと、自分に対する怒りがどんどん込みあげてきて、もうCDなんか買いに行っている場合じゃなかった。

 あたしは、買った雑誌をぜんぶ抱えて、叔父のところへ向かった。

 
 叔父は日曜日だったから家にいた。日曜日で仕事がないから、朝からガブガブと安いウイスキーを飲んでいた。一応は水割りだったけど、ウイスキーが八割で水が二割だった。
 
 そのいつも通りの叔父の隣に、いつも通りにあたしは座った。ウイスキーが八割の水割りを端にどかして、テーブルに買った雑誌をぜんぶ並べて見せた。叔父は雑誌の表紙を見ただけで、あたしがなにをしに来たかわかったみたいだった。なにも言わずにどかしたウイスキーを飲んで、タバコに火をつけ、ハイライトのラムの匂いを漂わせて黙っていた。
 
 あたしも叔父のハイライトを一本抜き取って、火をつけてからゆっくり吸い込み、一気に吐き出してから、まくし立てるようにスティーヴィー・レイ・ヴォーンが死んだことへの悔しさを話した。話している間、叔父は一言もしゃべらず黙って聞いてくれ、悲しみと怒りを一気に吐き出したあたしは、少しだけスッキリした。そこではじめて涙が出てきた。
 追いかけようと決めた男が、目の前から消え去ったことへの涙だった――

 最後に、あたしはこう言った。
「学校もやめて、親とも大ゲンカしてまで追いかけようって決めた男が、半年もしないうちに死んじゃうなんて、あたしってバカみたい。もう笑うしかないね」

 叔父はタバコを消して、お酒の飲みすぎで赤紫色に変色しちゃっている不健康な手のひらであたしの頭をペシッと叩いた。そして、酔っ払って目も頬もだらしなく垂れちゃっている顔でニッコリ微笑んでから、またタバコに火をつけた。ゆっくり煙を吐き出して、酔っ払って間延びしちゃっているだらしないしゃべりでこう言った。

「人間なんてのは、遅かれ早かれ必ず死ぬんだ。だけど死んだ人間の評価は、その人間を慕うものの生き様で決まる。おまえがいつまで経ってもヘタッピなギターを弾いていたら、世間の人間はおまえのギターを聴いて、おまえが慕う人間もヘタッピだったんだなと思う。いまのおまえはバカじゃない。だけどおまえがコイツの評判をさげたら、そのときおまえは本当のバカになる。コイツが好きだったのならどんなことでも死ぬ気でやれ」
 
 叔父が吐き出したハイライトのラムの匂いのなかで、あたしの気持ちはあっという間に吹っ切れた。
 言葉にするのは無理だけど、叔父の言ったことがあたしの心を揺さぶった。


 ああ、なんだ。そういうことだったのか――


 本当にただそれだけ。
 ただそれだけを感じて、あたしは叔父のグラスにウイスキーを足してあげた。
 叔父は「入れすぎだバカヤロー」って言って笑ってくれた。


 それからのあたしは、両親とは相変わらずケンカばっかりで、家出も何度もしたし、大人になってからは訳もなくあちこちへ放浪の旅にでたりもしたけど、地元に帰ったときは必ず叔父のところへ顔を出していた。
 あたしはいつもと変わらず、叔父の隣に座っていたし、叔父もいつもと変わらない垂れた目と垂れた頬で笑って、あたしがいままでどこでなにをしていたかなんて聞きもせずに、まるで昨日も一緒に飲んでいたかのような調子で、音楽を聴きながらいままで何度も聞いてきた批評を話してくれていた。


 そんな叔父も、数年前に死んだ。
 もうすぐ六十歳になるってときで、叔母と一緒に、叔父の誕生日には絶対に赤いちゃんちゃんこを着せて笑ってやるんだって、そんなくだらない計画をしているときだった。

 あたしが叔父に最後に会ったのは、死ぬ一ヶ月ほど前。なんでそうなったのかは覚えていないけれど、珍しく叔父が外で飲もうって言い出して、二人で居酒屋で飲んだのが最後だった。
 叔父は上機嫌でベロベロに酔っ払って、いつものように目も頬も垂れちゃって、間延びしたしゃべりでああでもないこうでもないと講釈を並べていた。トイレに行くのに立ちあがり、椅子につまづいてすっ転んだ叔父を見て大笑いしたのをはっきり覚えている。

 叔父が死ぬ、二日前。
 叔父は、叔母とうちのママ、それにあたしの妹夫婦を連れてカラオケボックスに行っていた。それもとっても珍しいことだった。
 叔父はそのとき、数日前から頭痛がするんだけど、酒を飲んじゃえば治るんだって言っていたらしい。叔母が、病院に行きなさいって言ってもまったく聞きやしないってぼやいていたらしい。

 月曜日の午後だった。
 あたしはその日、なんでかわからないけれど、朝からものすごい倦怠感と虚無感に襲われて、仕事を休んでいた。ズル休みならしょっちゅうだったけど、そんな気分になったのははじめてのことだった。
 ずっとテレビの前でゴロゴロと過ごしていて、妹から電話がかかってきたのが二時過ぎ。
 叔父が職場で昼休みに倒れて病院に入院したって話だった。
 とっても驚いたけれど、そのときはまだたいしたことないだろうって思っていたし、たいしたことだったとしても大丈夫だろうって思っていた。
 叔父は若い頃から、死にそうな目に何度もあっていたから、今回もまたそれかってくらいに思っていた。酔っ払ってケンカして、全治三ヶ月の重症とか。酔っ払ってバイクに乗って、他人の家のブロック塀に突っ込んで意識不明とか。若いときからそんなことばっかりだった叔父だから、今回も大丈夫だって思っていた。
 それに妹の声はいつもと変わらなかったし、パパが仕事から帰って来たらみんなでお見舞いに行くから用意しておいてってのんきなこと言っていたから、なおのこと一刻を争うような状況じゃないって、そう思っていた。
 

 でも、違った。


 あたしは妹たちとは別行動で病院に行った。受付で案内されたのはエレベーターで四階の集中治療室で、エレベーターをおりるとロビーに親戚が数人集まっていた。
 あたしは割烹着みたいな白衣を着せられて、帽子もかぶりマスクもして、さらにアルコールで手を消毒してから、集中治療室に入った。
 叔母がお医者さんと話をしている最中で、話の途中に泣き崩れていくのが見えた。従姉弟が椅子に座ってうなだれているのが見えた。従姉弟のところまで行って、ベッドに横たわる叔父が見えたときに、涙が溢れ出してきた。
 テレビドラマのように、脈拍だのなんだのを計測するモニターが、黒い画面に緑色の波線を映していて、あたしはテレビドラマのようにそれが横一本の線にならないことを祈った。

 集中治療室を出てみんなのところへ行き、脳内出血で手術をしても回復する見込みはほとんどないという話を聞かされた。
 翌日、朝から叔母と一緒に病院に行き、叔母が手術をしないことをお医者さんに話しているのを隣で聞いていた。


 夜になって叔父の兄弟が田舎からやってきたり、みんな慌ただしくしだして、あたしは集中治療室の前のロビーから離れた。みんなの悲しい顔を見ていたくなかったし、じっとしているのもとっても苦痛だったから、病院の外にある喫煙所に移動して、ひっきりなしにタバコを吸っていた。
 
 病院の正面玄関の自動ドアが開いて、妹が走って来るのが見えた。妹はあたしを見つけるなり大声で言った。
「お姉ちゃん、急いで戻って!」

 あたしは走った。そこが病院だなんて関係なかった。とにかく走った。エレベーターが上のほうの階で止まっているのを見て、階段を駆け登った。集中治療室のドアを開いたら、看護婦さんに止められて、割烹着みたいな白衣を着なきゃいけないことを思い出した。とってもじれったかったから、いい加減に着てなかに入った。
 親戚が数名ベッドを囲んでいて、叔父の脇に座っていた叔母があたしを呼んだ。あたしは叔母の隣に行きモニターを見た。緑色の波形が弱々しく動いていて、いまにも一本線になりそうだった。
 叔母が、もうこれが最後になりそうだから、お別れの挨拶をしてあげてって言う声が聞こえて、あたしは叔父の手を握った。叔父の手はいつも通りに飲みすぎで赤紫色のままで、いつも通りにとっても暖かかった。
 
 あたしの向かい側にいたママがモニターを指さした。一本線になりそうだった緑色の波形が激しく動いて、画面の隅っこの数字が大きく跳ねあがっていた。

 意識が全くないはずの叔父が、あたしの手に反応している――

 あたしは叔父の名前を呼んだ。それでまた数字があがった。何度も何度も叔父の名前を呼んで、お願いだから目を覚ましてと、そのためならなんでもするからと本気で祈った。涙はこれでもかってほどに溢れ、もうここがどこかなんて関係なく、泣き声を押し殺す気もなかった。叔父が目を覚ますなら、いつまででも名前を呼び続けただろうし、あたしが叔父に最後に会ったのは一ヶ月も前で、それもすっ転んだのを見て大笑いしたときだ。そんなのが最後の思い出になるなんて嫌だ。

 これが最後になるのなら、せめて一度でいいから目を開けて、あたしの名前を呼んで欲しかった――
 そう思って、何度も何度も叔父の名前を呼び続けたけど、叔父が目を開けることはなかった――


 それからどれくらいの時間が経ったのかは全く記憶にない――
 十秒だか十時間だかわからないけど、緑色の波形は徐々に平らになっていき、ドラマとは違ってまっすぐの一本線になるまえにお医者さんが来て、ドラマと同じように静かで無表情な口調で死亡時刻を告げた――


 喫煙所に戻ったあたしのところに従姉弟が来て、叔父のタバコを咥えてから、あたしにも一本差し出した。倒れたときにポケットに入っていたというそのタバコのケースはぺっちゃんこになっていて、あたしが咥えたタバコはクニャクニャに曲がっていた。
 
 まっすぐに伸ばしてから火をつけると、いつも叔父の家で叔父の隣に座っていたときと同じ、ハイライトのラムの匂いが漂った。 
 あたしは従姉弟に「まずいタバコだよね」って笑って言ったんだけど、涙はずっと流れたままだった――


 あれからもう数年が過ぎて、いまのあたしは毎日笑って過ごしている。
 だって、あたしが楽しく笑って酔っ払っていてあげなきゃ、あたしが愛した二人の男の生き様を嘲笑うヤツがあらわれちゃうから――

 だからあたしは、死ぬまでずっとギターを弾くだろうし、叔父が大好きだった音楽もお酒もタバコも絶対にやめないと思う。
 

 おしまい





 どうも長々とありがとうございました。
 なんか途中から叔父の話に変わっちゃいましたが、まぁいいわよね。(え? 良くない!? 笑)
 
 ともかく、これでようやくずっと前の記事から引っ張り続けてきたスティーヴィー・レイ・ヴォーンのリトル・ウイングに辿りつけます。

 この曲は、あたしが叔父に聴かせたときに大絶賛してくれた曲で、それだけにあたしにとっては世界中のどんな曲よりも深い思い入れがあります。

 そんなわけですから、今日は動画を二つ貼っちゃいます。
 お時間がおありの人はレコーディング・バージョンとライブ・バージョンの両方をお聴きくださいませ。






 あたしも叔父も、スティーヴィー・レイ・ヴォーンのリトル・ウイングは、他の誰の演奏よりもスイングしているところが大好きです。(スイングとは、前拍が長くて裏拍が極端に短いシャッフルのことです)
 
 音楽がお好きな人は、過去記事のリトル・ウイングあれやこれやに載せたいろんなミュージシャンが演奏するリトル・ウイングと聴き比べて、お気に入りの演奏を見つけてくださいませね。


 このシリーズを書き終わっての「しのぶが思うハードボイルド」

 叔父。(笑)

 以上でございます。


 それではまた、酒井しのぶでございました。

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