天ぷら事件

　こんにちは、酒井しのぶでございます。


　今日は朝から、外出しておりまして、先程帰宅いたしました。
　なにをしに行っていたかと申しますとですね。

　実家のガスレンジの買い替えに。
　あ、違うか。
　買い換えるんじゃなくって、譲り受けたんです。

　親戚がシステムキッチンにリフォームしたんですけど、リフォーム前にガスレンジを買い換えておりまして、それがまだ２ヶ月くらいしか使っていないもので、綺麗だからと、譲り受けましてね。

　実家のガスレンジはもうオンボロで、まぁ、父と母の二人だけだし、使えて危険がなければいいかと、オンボロで汚いまま使っていたのですが、タダで貰えるならいいわねってことでね。

　いつもなら妹が車を出して母を乗っけて親戚のところまで行くのに、今日はなんだか小学校の家庭訪問があるとかで、忙しいとか言い出しましてね。
　
　で、あれですよ。
　妹の車を借りて、母の運転でわたくしが付き合うことに。
　
　わたくしあれです。
　免許は持っているし、ゴールド免許ですけどね。
　年に２、３回しか運転しませんのよ。オホホホ！
　
　まえは妹んちの車は、軽ワゴンだったんです。
　だから、わたくしと大して違わない運転技術の母でもそれなりに走れていたんですけどね。

　いまの妹んちの車は、なんだかどでかいワゴンでしてね。
　親戚の家まで車で１５分くらいなんですけどね。


　ああ、怖かった……。

　
　生きた心地がしないってのを久しぶりに体験しましたよ。（爆）


　なにもこんな雨の日に、ペーパードライバーの女二人で車走らせなくてもいいのにねぇ。（笑）

　親戚の都合ってのもあるから仕方ないんですけど、それよりなにより、早くレンジを取り換えたかったという母の心境が大きくてですね。


　というのも、母は先週、田舎に帰省していましたでしょ。
　わたくしも最初の日だけ一緒に行って、父の面倒を見るためにとんぼ返りしたわけですけど、実はこの母がいない数日間で、ガスレンジが悲惨な目にあっていたんです。


　父は料理が好きなんです。
　本人曰く、コックになりたかったと、若い頃はよく言っておりました。
　ああ、いまでも酔っ払うと言い出しますね。若い頃だけじゃなかったわ。（笑）

　じゃあ、料理が得意なのかというと、ぜんぜんそんなことはなく。
　まぁ、お米も炊けない人とは違いますし、簡単な炒め物くらいなら自分で作れるんですけどね。

　
　父は天ぷらが大好きでですね。
　日曜日なんかは、一日暇を持て余していると、朝からお酒飲んでゴロゴロしているわけですが、ツマミに自分で天ぷら作るんですよ。

　これは若いときから変わらずなんですが、後片付けをまったくしないのも変わりません。


　天ぷらってほら、小麦粉使うじゃない。
　油もたくさん使うし、キッチンを汚しやすいし、すぐに片さないと汚れがなかなか落ちなくなるんですよね。


　父の天ぷら制作後のキッチンはメチャメチャです。

　
　まず、油。
　なにをどうすればこうなるのか、まったくわからないことになります。
　油が跳ねて、レンジに点々と油のあとがたくさん付いているとかってレベルじゃないんですよ。


　もうね。
　五徳あるでしょ。鍋とかフライパンとかを乗せる台です。
　五徳と火が出るところの間に、汚れとか、コゲカスとかがこぼれたのを貯めておく受け皿みたいのがあるじゃないですか。

　要は、鍋の真下になる部分。
　そこに油が溜まっているんですよ。

　ね？　意味不明でしょ。
　なんで、鍋の真下に油が溜まるの？

　こぼしたのか？
　いや、そこに油こぼしたら、火がついているんだし、燃えて火事になるわよね。

　そこだけじゃなく、レンジ全面が油だらけで、跳ねた油が点々って感じじゃなく、水でもこぼしたかのような濡れ具合なんです。


　意味不明です。
　世界広しといえども、揚げ物するのに、毎回油ぶちまける人っていないでしょ。


　あと、小麦粉。
　これも、なんで！？　って勢いでそこら中真っ白けっけです。
　でもって、レンジにこぼした油がたぶん、熱いんでしょうね。
　小麦粉が焦げて黒くなっていたりもします。


　わたくし、母が田舎に帰省している間、毎日お昼前後に実家に行っていたわけですが、まず最初にキッチンの後片付けからはじめるんですよ。

　シンクに溜め込んだ洗っていない食器を洗って、ガスレンジの五徳だのなんだのをぜんぶ外して洗う。
　レンジ用の洗剤で洗って油汚れを取って、レンジをちょっとづつ移動させながら隙間に落ちているゴミを拾って、それからコーヒーで一息って感じです。


　汚いキッチンでお料理する気になれませんからね。
　もう古いガスレンジだから、ピカピカにはなりませんが、まぁ不衛生ではないだろうってくらいにはするんです。

　
　でもって、洗濯したりお掃除したりしたりして、父の夕飯を適当に作って、翌日の父のお小遣いを置いて帰っていたわけです。
　母には、お小遣いは一日千円でいいって言われていたんですが、千円じゃねぇ。
　タバコ買ったら、お昼もまともに食べられませんもんねぇ。
　朝ご飯だってあるわけだし、帰りに発泡酒の一本でも買って帰りたいだろうしと、２千円をテーブルに置いて帰っていたんです。
　でもこれ、よくよく考えると、毎日２千円って一ヶ月で６万にもなるんですよね。

　あげすぎだな。（笑）
　世の男性諸氏のやりくり上手には頭が下がりますね。


　そんなに天ぷらが食べたいならと、天ぷらだって作っておいてあげてるのに、なぜか自分でお料理をしたくなる父。
　酔っ払ってお料理しているから、始末が悪いんですね。
　
　ていうか、わたくしが作ったものをぜんぶ食べて置きながら、さらに自分でも作って食べるって、食い過ぎです！（笑）


　まぁ、そんなこんなで、毎日のように父が汚したキッチンの片付けをしていたわたくしですが、最後の日。
　昨日の記事でも書きましたが、父が免許の更新に行くとかって大嘘ぶっこいた日ですね。

　この日は、朝から実家に行って、父に免許の更新費用を渡して、夕方には母も帰ってくるんだしと、わたくしはなにもしないで帰ったんですよ。


　そしたら、とんでもないことになってしまったのです。


　前日やっぱり、キッチンを汚しまくっていた父なのですが、わたくしはそれをそのまま放置して帰りました。（もういい加減、人んちのキッチンの掃除もうんざりだったんですよ。笑）
　わたくしが帰るとき、父はまだ家にいたのですが、免許の更新に行くと言っていたし、まさかキッチンでお料理するなんて思いませんからね。


　父は、すぐには出かけずに、そのあとお料理を作った模様。
　そしてとんでもない事態に。

　
　昨日、わたくしが実家に行ってみると、キッチンが真っ黒焦げなんですよ！


　えぇぇえええ！？
　か、火事！？

　
　って具合です。
　いつも通りにたぶん、天ぷらを作ったんでしょうね。
　油がこぼれまくって、小麦粉が散乱して、その小麦粉が焦げ焦げになっているのはいつもと変わらないんですが、なにかが燃えたのか、ガスレンジの表面が真っ黒なんです。


　わたくし。
「なにこれ？？」

　母。
「なんだと思う？」

　わたくしは、レンジを凝視しました。

　なんとそれは、ビニール袋。
　コンビニとかの買い物袋です。

　たぶん、跳ねた油で引火したんでしょう。
　溶けて真っ黒なってレンジにべったり張り付いて取れません。

　
　わたくし。
「これ、火事じゃないのよ」

　母。
「家が燃えてなくって良かったわよ。もう二度と料理はするなと怒っておいたわ」


　まったくもってやれやれです。
　燃えたのはそのビニール袋だけのようでしたし、レンジまわりの壁や天井はきれいなままですから、燃えたといってもたいしたことじゃなかったのでしょうが、笑って済ませる事態ではありません。（笑うしかありませんでしたがね）
　一歩間違えれば、大火災です。


　だいたい、父の作る天ぷらはいつも真っ黒焦げ。
　火力が強すぎるんでしょうね。
　だから油もビシャビシャと跳ね過ぎるんでしょう。
　綺麗に片付いたキッチンでお料理しないから、まわりにあるちょっとしたものを焦がしたりしちゃうんです。
　そういや、父が使った菜箸とか、先っぽ真っ黒焦げで短くなっていたりするし、いつだったかは、圧力鍋を真っ黒焦げにしやがったしな……。
　本当に、やれやれです。

　母が常日頃から、キッチンをいつも綺麗さっぱりにして、まわりになにもものを置かない理由が、わかった瞬間でした。

　
　そんなわけで、真っ黒焦げのガスレンジじゃなにもできないので、どうしても今日、ガスレンジをもらいたかった母。

　これまた、一歩間違えれば大事故よ！！　ってな運転でガスレンジをゲットして、親戚の叔母とともに実家に戻って、女三人で父の悪口三昧でした。


　ガスレンジを取り替える際に、古いレンジをどかしたら、レンジがあった真下にも油がべっとり。
　今度のレンジは、火力の自動調整機能が付いているから、熱くなりすぎると火力が弱まるし、つけっぱなしだと自動で消えてくれるので、少しは安心かな。


　まぁ、さすがの父も、母の話じゃ今回はけっこう反省していたようです。
　母も今回はかなりな形相で怒った模様。
　そりゃそうですよね、火事なんてことになったら大変すぎます。

　
　さっき、仕事が早く終わって帰ってきた父は、新しいガスレンジに興味津々でしたが、母に「触るんじゃないの！！」って怒鳴られて、部屋に引っ込んでいきました。（子どもみたい。爆）

　
　父がお料理をしなくなるとは思えないので、天ぷらのレシピと、火力の調整とか、後片付けの仕方とかを紙に書いて置いてきましたよ。
　まぁ、母がいれば父もキッチンには近寄れないでしょうから、必要ないかもしれませんが。（笑）


　皆さんも揚げ物をするときは、火事に注意してくださいませね。
　わたくしも気をつけます。（もちろん父にも気をつけさせます！）


　本日の「しのぶが思うハードボイルド」

　魚焼きグリルにキッチンペーパーを敷いて、揚げたものの油切りに使うと便利。（ハードボイルド料理道？　違うか。笑）

　以上でございます。


　それではまた、酒井しのぶでございました。