妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。
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こんにちは、酒井しのぶでございます。
のだめカンタービレなんて漫画がありましたが、それでこの曲を知った人もけっこう多いんじゃないでしょうか。
はい、ガーシュイン作曲のラプソディー・イン・ブルーです。
わたくしこの曲が大好きです。
出だしのオーボエのカデンツェ部分をギターで練習したりしたものです。
ガーシュインはアメリカの作曲家で、クラシックにジャズを融合させた人として有名です。
本名はジェイコブ・ゲルショヴィッツ。(もとはゲルショビッチだったらしい)
ロシア系ユダヤ人の移民の子としてアメリカに生まれるとウィキに出ていますが、「ロシア系ユダヤ人」と「ユダヤ系ロシア人」の違いはよくわかりません。(どっちでもいいのかな? 笑)
ガーシュイン自身はアメリカ生まれのアメリカ育ちなので、ニックネームはジョージです。(笑)
時代を考えれば、ロシアってのもユダヤってのも、差別に値する血になります。
そのために、作曲家としてのネームはジョージ・ガーシュインと、英語バリバリな名前なんじゃないのかと、これはわたくしの勝手な想像です。
作曲家として売れだすのは1920年あたりからなので、いわゆるクラシック音楽の作曲家のように歴史上の人物というわけではありません。(まぁ今の子たちにしてみれば歴史上の人物でしょうが。笑)
主に演劇やミュージカルの作曲をしていた人なんです。ですので、クラシックの作曲家ではなく、ポピュラーミュージックの作曲家ですね。(当然、時代的にもクラシックではありませんね)
いまで言えば、映画音楽などを手がけている作曲家たちと同じ立場になるのだと思います。(ガーシュインは映画音楽も数曲手がけていたと思います)
はじめてガーシュインを聴いたのは、中学生のときで、そのときの曲はこちらです。
パリのアメリカ人という曲です。
オーケストラや吹奏楽をやっている人なら、当たり前に知っているくらいに有名な曲です。中学校の吹奏楽ですら、この曲をやるところがあるくらいの人気曲です。
どちらの曲も、ジャズ風味なわけですが、どうしてジャズ風味になるのかと言うとですね。
もちろんジャズの定石フレーズを取り込んでいたりするからなのですが、そうじゃなくてもっと根本的な部分があるんですね。
ジャズやブルースには、ブルーノートと呼ばれる西洋音楽の音階には存在しない音があるのです。そのブルーノートを多用することで、ジャズやブルースといった黒人音楽の風味を出すことができるのです。
以下、文字色が違うところはブルーノートについての説明になるので、興味のない人は飛ばしちゃってください。
通常、西洋音楽は12音階で構成されています。
日本の音楽の授業で習うように説明(日本の音楽の授業における音楽理論の教え方は、はっきり言って音楽を目指す人にとっては、混乱を招くだけの無駄知識でしかないのです)すると、ドレミファソラシの7つの音と、その間に存在する半音(ミとファ、シとドのあいだにはありません)の12個の音で作られています。
ブルーノートとは、ミ♭とミのあいだ、ソ♭とソのあいだ、シ♭とシのあいだに存在する音で、ピアノのようにそれぞれの音が12分割にはっきり区切られている楽器では出すことが出来ない音です。
ラプソディ・イン・ブルーの冒頭のオーボエのカデンツェで「フォワ~~~ン」って音が上昇していく部分がありますでしょ。
そのはじまりと終わりの音は12音階の音ですが、音が上昇していく過程でブルーノートが出されています。
そういった中途半端な音、西洋音楽理論で区画されていない音(上記の3音以外はブルーノートではありません)がブルーノートになるわけです。
ブルーノートは表現する人によって変化します。つまり、正確に半音と半音のあいだというわけではなく、ミとミ♭で例えれば、ミに近い音を出す人もいれば、ミ♭に近い音を出す人もいますし、それらを自在に使い分ける人もいて、まさにアナログな音といえるものです。
たいていの場合、ミ、ミ♭のどちらかから音を上下させる(音をわざとはずす)ことでブルーノートを出すのですが、マイケル・ジャクソンのようにいきなりブルーノートを出せる人もいます。前者は白人に多く、後者は黒人に多いというのもブルーノートを使った音楽の発展の仕方による差です。
つまり、西洋音楽理論からブルーノートを解釈しているのか、西洋音楽理論を知らずにブルーノートを使いこなしているのかの違いです。(後者が西洋音楽理論を学んでいないと言うことではありません)
どうしてブルーノートが生まれたかと言うとですね。
諸説あるのですが、定説になっているのはですね。
黒人が奴隷制度のなかで、自分たちの悲しい気持ちを歌で表現する際に、メジャーコードしか知らないのに、マイナーな歌を歌ったためと言われています。(ここで言うメジャー、マイナーは、有名、無名ということではなく、音楽の和音のことで、明るい=メジャー、暗い=マイナーです。メジャーコード=明るい和音、マイナーコード=暗い和音。長調=メジャー、短調=マイナーとなります)
つまりですね。
たとえばメジャーCコードは、ド、ミ、ソで構成されているのですが、これをマイナー音階にするにはミをミ♭にする必要があるのです。
ド、ミ♭、ソと和音を出せばマイナーコードになり、悲しい気持ちを表現できる和音になるのですが、その原理をしらない人が、ド、ミ、ソと和音を出した状態でメロディーだけをマイナー音階にしたんです。
それでミ♭を歌うはずが、伴奏からはミが出ているので、それにつられてしまってミ♭になりきらずミとミ♭のあいだの音がでてしまったというのが、始まりだと言われています。(わたくし個人はこの説に説得力を感じません。ブルーノートは黒人が生まれ持った感性だと思っています。あくまで個人の意見ですが。あ……個人の意見しかないブログだったわね。笑)
ですので、たとえばゴスペル。
伴奏はメジャー音階で演奏され、メロディーはマイナー(実際にはブルーノート音階)で歌われます。
ジャズでも同じです。
伴奏はメジャーでメロディーはブルーノートになります。(実際にはメジャー和音にテンションと呼ばれる音が複数含まれている和音で伴奏されますが、原理としてはメジャー和音です)
マイナー和音の伴奏でメロディーもマイナーだと、ジャズやブルースにはなりません。
この仕組こそ、ジャズやブルースといったブルーノート音階を使う音楽の根源になり、ガーシュインはこのブルーノートを取り入れた曲をオーケストラアレンジで演奏したというわけです。
ちなみに、ピアノなどの音がきっかり12分割されてしまっていてブルーノートが出せない楽器では、どうやってブルーノートを表現するのかと言うとですね。
ミとミ♭をトレモロ(高速で行ったり来たり繰り返す)するんです。この奏法により擬似的にブルーノートを出します。
ギターの場合、チョーキングと言う奏法がありますが、これはジャズやブルースでのテクニックなので、クラシックギターではやはりトレモロを多用します。
トレモロを使わなくてもメジャー和音におもむろにマイナー音(ミを含むコードにミ♭を)ぶつけてくることも、ポップスではよく使われます。(本来は不協和音になるので、1オクターブ以上の差をつけますが、ポップスでは半音ずれでぶつけることも多々あります。有名なところでは、ビートルズのゲットバックのサビの部分の歌と掛け合うギターの副旋律がそうですね。ポール・マッカートニーのソロになってからのゲットバックは特にわかりやすいです)
とまぁ、専門的な話になってしまって、とってもつまらない記事になってますね。
どうもすいません。(汗)
ブルーノートの説明については忘れてくれて構いません。(じゃあ書くな! 笑)
さて、ガーシュインがウケた理由というのは、舞台音楽だったということもありますが、やはりジャズを取り入れたというのが、アメリカという土壌で大いにウケた原因だと思います。
アメリカではオーケストラ(管弦楽)よりも、ブラスバンド(吹奏楽)が盛んです。
特にマーチングは世界トップレベルで、アメリカにかなう国はありません。(ヨーロッパでは流行ってませんしね。 爆)
そんなこともあり、吹奏楽でもガーシュインはたくさん演奏されていて、やはり吹奏楽が盛んな日本でも、ガーシュインはとっても人気の作曲家です。
ブラスバンド(吹奏楽)というのは、オーケストラ(管弦楽)から弦楽器を取り除いた編成で演奏する形態を指します。
管楽器と打楽器だけの編成が吹奏楽になります。(現代ではコントラバスは常駐しているのが一般的で、曲によりハープやピアノも入ります)
バイオリンの代わりはクラリネット、チェロの代わりはユーホニウムなどが担当することで、オーケストラと同じ曲も演奏されていますが、得意分野はポップスなどの映画音楽、舞台音楽になります。
管楽器と言えば、ジャズですよね。
ビックバンドなどは20人近い編成になりますから、小さな吹奏楽とも言えます。(吹奏楽では50人前後から100人くらいの編成が一般的)
そんなところでも、アメリカという国にガーシュインがウケた理由だと思います。
そんなガーシュインの代表曲を1つあげろと言われれば、やはりサマータイムではないでしょうか。
この曲は、オペラ「ポーギーとベス」に出てくる子守唄なんです。
なので、歌入りバージョンも当然あります。
名曲なのですが、日本ではガーシュインのオリジナルバージョンはあまり有名じゃないかもしれません。
ですが、このオペラはキャストすべてが黒人というすごい企画のオペラで、アメリカ音楽の古典とも言える作品なのです。
この作品に音楽で参加したガーシュインにも、ロシアとユダヤの差別に対する思いが少なからずあったのじゃないでしょうかね。
白人至上主義社会のど真ん中での、黒人キャストのみの作品なわけですから、初回公演ではあまり人気がでませんでした。回を重ねるごとに人気となっていく、アンダーグラウンドから登りつめていく、まさにアメリカンドリーム作品ですね。
黒人のオペラなため、多くのジャズミュージシャンがカバー演奏したことで世界的に有名になったんですね。
たとえば、マイルス・デイヴィス。
ね? こっちのマイルスのバージョンなら聴いたことがある人もけっこういると思います。
歌入りバージョンもたくさんありますが、歌入りならやはりわたくしはジャニス・ジョプリンのサマータイムがいちばん好きです。
このブログでも以前取り上げましたね。
しのぶのあっちがわ ジャニス・ジョプリン
うん、ぜんぜん違う曲になってますね、ジャニスのバージョンは。(爆)
じつは歌詞も一部違うんですけどね。(笑)
ここまで来ると別の曲と思えてなりませんが、それでもこれもガーシュインで、ロック寄りのミュージシャンはこのバージョンをもとにカバーしている人がほとんどです。
ちなみに、森進一がCMで歌ったそうですが、わたくしそれは覚えがありません。(笑)
ガーシュインはとても有名になり、特にジャズミュージシャンのあいだではたくさんカバーされています。
また、舞台音楽が多いせいもあり、時間を短くアレンジして演奏されることも多く、多種多様なバージョンが世界中に存在しています。
それらも含め、近代の作曲家ということもあり、著作権に関してはディズニーと同じくらい厳しいそうです。
特に楽譜の販売に関してはかなりなそうです。
これも有名になったからこそのことでしょうが、音楽の場合、カバーされることで広まるのは必然とも言うべきことなので、なんとも難しいことになっていますね。
まぁ、近代の作曲家ですからね。いまだにマネージメントがしっかりしているということでしょう。
ガーシュインは38歳のときに脳腫瘍で死亡しております。ここでもまた、天才の短命というなんとも言えないことになっています。
まだまだこれからというときに、もったいない死ですね。生きていればもっともっとすごい曲を作っていただろうし、ジャズがもっと世界を征服していたかもしれないくらいに、威力のある作曲家でした。
倒れた直後に「頭の中で何かが焼ける音がしてから、自由が利かなくなった」と発言しているそうで、クモ膜下出血ではないかとも言われているそうです。(ウィキペディア参照)
頭の中で何かが焼ける音がするのがクモ膜下出血なのか、倒れた直後に発言できていることでクモ膜下出血と思われているのか、それはわたくしにはわかりませんが、頭の中で何かが焼ける音って、いったいどんなだろうかと考えずにはいられない凄まじい発言ですよね。
頭の中で何かが焼ける音……この表現ができる事自体、ガーシュインが天才だった証拠じゃないでしょうかね。
わたくしのような、ボキャブラリーのかけらもない人間には一生思いつかない表現だと思うわ。(作家のくせに情けない。笑)
いずれにせよ、ロシア系ユダヤ人でアメリカ育ちの作曲家が黒人音楽を作るという、とんでもない離れ業をやってのけ、世界中を感動させたのがガーシュインだったというわけです。
これもやはり、アメリカだからこそできたことじゃないかなぁ。
良くも悪くもね。
本日の「しのぶが思うハードボイルド」
黒人を虐げている真っ最中に白人が黒人音楽を聴いて楽しむって何なの一体!? って思わずにはいられませんね。(またしてもハードボイルド関係ありませんが、世界七不思議ですよこれ。笑)
以上でございます。
それではまた、酒井しのぶでございました。
のだめカンタービレなんて漫画がありましたが、それでこの曲を知った人もけっこう多いんじゃないでしょうか。
はい、ガーシュイン作曲のラプソディー・イン・ブルーです。
わたくしこの曲が大好きです。
出だしのオーボエのカデンツェ部分をギターで練習したりしたものです。
ガーシュインはアメリカの作曲家で、クラシックにジャズを融合させた人として有名です。
本名はジェイコブ・ゲルショヴィッツ。(もとはゲルショビッチだったらしい)
ロシア系ユダヤ人の移民の子としてアメリカに生まれるとウィキに出ていますが、「ロシア系ユダヤ人」と「ユダヤ系ロシア人」の違いはよくわかりません。(どっちでもいいのかな? 笑)
ガーシュイン自身はアメリカ生まれのアメリカ育ちなので、ニックネームはジョージです。(笑)
時代を考えれば、ロシアってのもユダヤってのも、差別に値する血になります。
そのために、作曲家としてのネームはジョージ・ガーシュインと、英語バリバリな名前なんじゃないのかと、これはわたくしの勝手な想像です。
作曲家として売れだすのは1920年あたりからなので、いわゆるクラシック音楽の作曲家のように歴史上の人物というわけではありません。(まぁ今の子たちにしてみれば歴史上の人物でしょうが。笑)
主に演劇やミュージカルの作曲をしていた人なんです。ですので、クラシックの作曲家ではなく、ポピュラーミュージックの作曲家ですね。(当然、時代的にもクラシックではありませんね)
いまで言えば、映画音楽などを手がけている作曲家たちと同じ立場になるのだと思います。(ガーシュインは映画音楽も数曲手がけていたと思います)
はじめてガーシュインを聴いたのは、中学生のときで、そのときの曲はこちらです。
パリのアメリカ人という曲です。
オーケストラや吹奏楽をやっている人なら、当たり前に知っているくらいに有名な曲です。中学校の吹奏楽ですら、この曲をやるところがあるくらいの人気曲です。
どちらの曲も、ジャズ風味なわけですが、どうしてジャズ風味になるのかと言うとですね。
もちろんジャズの定石フレーズを取り込んでいたりするからなのですが、そうじゃなくてもっと根本的な部分があるんですね。
ジャズやブルースには、ブルーノートと呼ばれる西洋音楽の音階には存在しない音があるのです。そのブルーノートを多用することで、ジャズやブルースといった黒人音楽の風味を出すことができるのです。
以下、文字色が違うところはブルーノートについての説明になるので、興味のない人は飛ばしちゃってください。
通常、西洋音楽は12音階で構成されています。
日本の音楽の授業で習うように説明(日本の音楽の授業における音楽理論の教え方は、はっきり言って音楽を目指す人にとっては、混乱を招くだけの無駄知識でしかないのです)すると、ドレミファソラシの7つの音と、その間に存在する半音(ミとファ、シとドのあいだにはありません)の12個の音で作られています。
ブルーノートとは、ミ♭とミのあいだ、ソ♭とソのあいだ、シ♭とシのあいだに存在する音で、ピアノのようにそれぞれの音が12分割にはっきり区切られている楽器では出すことが出来ない音です。
ラプソディ・イン・ブルーの冒頭のオーボエのカデンツェで「フォワ~~~ン」って音が上昇していく部分がありますでしょ。
そのはじまりと終わりの音は12音階の音ですが、音が上昇していく過程でブルーノートが出されています。
そういった中途半端な音、西洋音楽理論で区画されていない音(上記の3音以外はブルーノートではありません)がブルーノートになるわけです。
ブルーノートは表現する人によって変化します。つまり、正確に半音と半音のあいだというわけではなく、ミとミ♭で例えれば、ミに近い音を出す人もいれば、ミ♭に近い音を出す人もいますし、それらを自在に使い分ける人もいて、まさにアナログな音といえるものです。
たいていの場合、ミ、ミ♭のどちらかから音を上下させる(音をわざとはずす)ことでブルーノートを出すのですが、マイケル・ジャクソンのようにいきなりブルーノートを出せる人もいます。前者は白人に多く、後者は黒人に多いというのもブルーノートを使った音楽の発展の仕方による差です。
つまり、西洋音楽理論からブルーノートを解釈しているのか、西洋音楽理論を知らずにブルーノートを使いこなしているのかの違いです。(後者が西洋音楽理論を学んでいないと言うことではありません)
どうしてブルーノートが生まれたかと言うとですね。
諸説あるのですが、定説になっているのはですね。
黒人が奴隷制度のなかで、自分たちの悲しい気持ちを歌で表現する際に、メジャーコードしか知らないのに、マイナーな歌を歌ったためと言われています。(ここで言うメジャー、マイナーは、有名、無名ということではなく、音楽の和音のことで、明るい=メジャー、暗い=マイナーです。メジャーコード=明るい和音、マイナーコード=暗い和音。長調=メジャー、短調=マイナーとなります)
つまりですね。
たとえばメジャーCコードは、ド、ミ、ソで構成されているのですが、これをマイナー音階にするにはミをミ♭にする必要があるのです。
ド、ミ♭、ソと和音を出せばマイナーコードになり、悲しい気持ちを表現できる和音になるのですが、その原理をしらない人が、ド、ミ、ソと和音を出した状態でメロディーだけをマイナー音階にしたんです。
それでミ♭を歌うはずが、伴奏からはミが出ているので、それにつられてしまってミ♭になりきらずミとミ♭のあいだの音がでてしまったというのが、始まりだと言われています。(わたくし個人はこの説に説得力を感じません。ブルーノートは黒人が生まれ持った感性だと思っています。あくまで個人の意見ですが。あ……個人の意見しかないブログだったわね。笑)
ですので、たとえばゴスペル。
伴奏はメジャー音階で演奏され、メロディーはマイナー(実際にはブルーノート音階)で歌われます。
ジャズでも同じです。
伴奏はメジャーでメロディーはブルーノートになります。(実際にはメジャー和音にテンションと呼ばれる音が複数含まれている和音で伴奏されますが、原理としてはメジャー和音です)
マイナー和音の伴奏でメロディーもマイナーだと、ジャズやブルースにはなりません。
この仕組こそ、ジャズやブルースといったブルーノート音階を使う音楽の根源になり、ガーシュインはこのブルーノートを取り入れた曲をオーケストラアレンジで演奏したというわけです。
ちなみに、ピアノなどの音がきっかり12分割されてしまっていてブルーノートが出せない楽器では、どうやってブルーノートを表現するのかと言うとですね。
ミとミ♭をトレモロ(高速で行ったり来たり繰り返す)するんです。この奏法により擬似的にブルーノートを出します。
ギターの場合、チョーキングと言う奏法がありますが、これはジャズやブルースでのテクニックなので、クラシックギターではやはりトレモロを多用します。
トレモロを使わなくてもメジャー和音におもむろにマイナー音(ミを含むコードにミ♭を)ぶつけてくることも、ポップスではよく使われます。(本来は不協和音になるので、1オクターブ以上の差をつけますが、ポップスでは半音ずれでぶつけることも多々あります。有名なところでは、ビートルズのゲットバックのサビの部分の歌と掛け合うギターの副旋律がそうですね。ポール・マッカートニーのソロになってからのゲットバックは特にわかりやすいです)
とまぁ、専門的な話になってしまって、とってもつまらない記事になってますね。
どうもすいません。(汗)
ブルーノートの説明については忘れてくれて構いません。(じゃあ書くな! 笑)
さて、ガーシュインがウケた理由というのは、舞台音楽だったということもありますが、やはりジャズを取り入れたというのが、アメリカという土壌で大いにウケた原因だと思います。
アメリカではオーケストラ(管弦楽)よりも、ブラスバンド(吹奏楽)が盛んです。
特にマーチングは世界トップレベルで、アメリカにかなう国はありません。(ヨーロッパでは流行ってませんしね。 爆)
そんなこともあり、吹奏楽でもガーシュインはたくさん演奏されていて、やはり吹奏楽が盛んな日本でも、ガーシュインはとっても人気の作曲家です。
ブラスバンド(吹奏楽)というのは、オーケストラ(管弦楽)から弦楽器を取り除いた編成で演奏する形態を指します。
管楽器と打楽器だけの編成が吹奏楽になります。(現代ではコントラバスは常駐しているのが一般的で、曲によりハープやピアノも入ります)
バイオリンの代わりはクラリネット、チェロの代わりはユーホニウムなどが担当することで、オーケストラと同じ曲も演奏されていますが、得意分野はポップスなどの映画音楽、舞台音楽になります。
管楽器と言えば、ジャズですよね。
ビックバンドなどは20人近い編成になりますから、小さな吹奏楽とも言えます。(吹奏楽では50人前後から100人くらいの編成が一般的)
そんなところでも、アメリカという国にガーシュインがウケた理由だと思います。
そんなガーシュインの代表曲を1つあげろと言われれば、やはりサマータイムではないでしょうか。
この曲は、オペラ「ポーギーとベス」に出てくる子守唄なんです。
なので、歌入りバージョンも当然あります。
名曲なのですが、日本ではガーシュインのオリジナルバージョンはあまり有名じゃないかもしれません。
ですが、このオペラはキャストすべてが黒人というすごい企画のオペラで、アメリカ音楽の古典とも言える作品なのです。
この作品に音楽で参加したガーシュインにも、ロシアとユダヤの差別に対する思いが少なからずあったのじゃないでしょうかね。
白人至上主義社会のど真ん中での、黒人キャストのみの作品なわけですから、初回公演ではあまり人気がでませんでした。回を重ねるごとに人気となっていく、アンダーグラウンドから登りつめていく、まさにアメリカンドリーム作品ですね。
黒人のオペラなため、多くのジャズミュージシャンがカバー演奏したことで世界的に有名になったんですね。
たとえば、マイルス・デイヴィス。
ね? こっちのマイルスのバージョンなら聴いたことがある人もけっこういると思います。
歌入りバージョンもたくさんありますが、歌入りならやはりわたくしはジャニス・ジョプリンのサマータイムがいちばん好きです。
このブログでも以前取り上げましたね。
しのぶのあっちがわ ジャニス・ジョプリン
うん、ぜんぜん違う曲になってますね、ジャニスのバージョンは。(爆)
じつは歌詞も一部違うんですけどね。(笑)
ここまで来ると別の曲と思えてなりませんが、それでもこれもガーシュインで、ロック寄りのミュージシャンはこのバージョンをもとにカバーしている人がほとんどです。
ちなみに、森進一がCMで歌ったそうですが、わたくしそれは覚えがありません。(笑)
ガーシュインはとても有名になり、特にジャズミュージシャンのあいだではたくさんカバーされています。
また、舞台音楽が多いせいもあり、時間を短くアレンジして演奏されることも多く、多種多様なバージョンが世界中に存在しています。
それらも含め、近代の作曲家ということもあり、著作権に関してはディズニーと同じくらい厳しいそうです。
特に楽譜の販売に関してはかなりなそうです。
これも有名になったからこそのことでしょうが、音楽の場合、カバーされることで広まるのは必然とも言うべきことなので、なんとも難しいことになっていますね。
まぁ、近代の作曲家ですからね。いまだにマネージメントがしっかりしているということでしょう。
ガーシュインは38歳のときに脳腫瘍で死亡しております。ここでもまた、天才の短命というなんとも言えないことになっています。
まだまだこれからというときに、もったいない死ですね。生きていればもっともっとすごい曲を作っていただろうし、ジャズがもっと世界を征服していたかもしれないくらいに、威力のある作曲家でした。
倒れた直後に「頭の中で何かが焼ける音がしてから、自由が利かなくなった」と発言しているそうで、クモ膜下出血ではないかとも言われているそうです。(ウィキペディア参照)
頭の中で何かが焼ける音がするのがクモ膜下出血なのか、倒れた直後に発言できていることでクモ膜下出血と思われているのか、それはわたくしにはわかりませんが、頭の中で何かが焼ける音って、いったいどんなだろうかと考えずにはいられない凄まじい発言ですよね。
頭の中で何かが焼ける音……この表現ができる事自体、ガーシュインが天才だった証拠じゃないでしょうかね。
わたくしのような、ボキャブラリーのかけらもない人間には一生思いつかない表現だと思うわ。(作家のくせに情けない。笑)
いずれにせよ、ロシア系ユダヤ人でアメリカ育ちの作曲家が黒人音楽を作るという、とんでもない離れ業をやってのけ、世界中を感動させたのがガーシュインだったというわけです。
これもやはり、アメリカだからこそできたことじゃないかなぁ。
良くも悪くもね。
本日の「しのぶが思うハードボイルド」
黒人を虐げている真っ最中に白人が黒人音楽を聴いて楽しむって何なの一体!? って思わずにはいられませんね。(またしてもハードボイルド関係ありませんが、世界七不思議ですよこれ。笑)
以上でございます。
それではまた、酒井しのぶでございました。
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