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妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
 酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
 

【あいつとの電話】
 ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
 酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
 

【Shinobu to Yuji 短編集】
 長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
 

 (注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
 いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
 書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
 それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
 皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。

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 こんばんは、酒井しのぶでございます。

 
 もう十五年近くもまえでしょうか、ちょうど京都の駅ビルが工事中だった頃の話です。わたくし一年弱ほど京都に住んでいたことがありました。
 
 最初は、歌う仕事の都合で一ヶ月弱の滞在の予定だったので、京都駅から徒歩十分程度の旅館に滞在していました。
 
 ビジネスホテルや、安いカプセルホテルでも良かったのですが、わたくしはそのとき、生まれてはじめての京都旅行だったので、やっぱりちょっと和風がいいわと、なるべく安い旅館を探して予約したのです。
 
 大人になってから生まれてはじめての京都ということに、疑問を持たれた人もいるでしょう。
 関東では、京都と言えば修学旅行の定番ですからね。当然、わたくしも中学三年のときの修学旅行は京都と奈良でございました。
 
 ですがまぁ、行かなかったのよ、修学旅行。(笑)

 修学旅行というのは、くじ引きなのかどうか知りませんが、各学校に割り当てがあって、毎年必ずしも同じ時期に行われるわけではないじゃないですか。
 わたくしのときはなんと、四月だったんです。
 三年生になってすぐだったので、二年生の三学期から指導会などをやっていて、三年生になってから決めるのは部屋割りとバスの席順くらいなものでした。

 この年、埼玉県では埼玉博覧会というのが開催されてましてね。
 わたくし不良少女A(しのぶだがらS? 笑)は、付き合っていた先輩が所属していた吹奏楽団体が、埼玉博覧会で演奏すると言うのを聞いて、そっちを優先したわけでございます。
 ちょうど修学旅行の初日が、その吹奏楽団が演奏する日だったので、ママに具合が悪いから修学旅行には行かないと言い、集合場所に欠席届けを出しに行ってもらいましてね。
 その隙に、わたくしはダッシュで着替えて、電車に飛び乗り埼玉博覧会へ行ったわけですね。(なんてひどい。笑)
 

 あれ? 話が大きく脱線しましたね。(笑)

 
 とまぁ、そんなこんなではじめての京都だったのですが、この手の仕事に顔がきく友人にマネージャー代わりをやってもらい、週に二本か三本の仕事を、京都と大阪で取ってもらっていました。バーとかライブハウスとかで、ブルースを中心に歌う仕事で、バンドメンバーとマネージャーの六人での京都滞在だったのです。(旅館に泊まったのは、わたくしとマネージャーだけで、あとはカプセルホテルでした)

 当然ですが、仕事は夕方出勤になります。そしてやはり当然ですが、どんなに早くてもその日のうちに旅館に戻ることはなかなか難しい仕事でした。
 まぁ、スナックやキャバクラのホステスなどと同じような勤務時間ですからね。

 滞在初日から三日くらいは仕事がなく、観光ばかりの毎日だったので、京都のお寺めぐりをしたり、大阪まで美味しいご飯を食べに行ったりと、ごくごくありがちな観光をして過ごしていました。
 
 旅館に滞在している観光客らしく、朝ご飯を食べたら旅館を出て、夕方まで観光をして、旅館に戻って夕飯をいただき、お風呂に入って読書して寝るといった具合でした。
 
 
 その旅館で、はじめて恵方巻きに出会ったのです。
 
 ちょうど二月三日だったのでしょうね。(覚えていませんが。笑)
 夕飯のテーブルにつくと、美味しそうなおかずと一緒に、大きな太巻きが並んでいましてね。

「お? 今日は太巻きなのか。それにしては一本丸々って、そんなことってあるのか?」

 と、思いました。
 そしたら、給仕の人がお茶と湯のみと一緒に、いつも通りお茶碗とご飯の入ったお櫃を持ってくるではありませんか。

「ええ?? この太巻きのほかにご飯も食べろと!?」

 驚きでしたね。(笑)
 女将さんが来たので聞いてみたところ、それは恵方巻きだと。近畿地方では節分に食べるんですよと。毎年その年の恵方に向ってかぶりつくと良いことがあるんですよと。
 たしか、北東に向って食べた記憶があります。
 
 それっきり、関東に戻ってからはまったく話題にも出ませんでしたが、ここ何年かですよね、恵方巻きがコンビニでも売られるようになったのは。
 
 それにしても、近年関東で一般的に目にする恵方巻きよりも太くて長かったその恵方巻き。
 それ一本食べるのにも苦労したくらいの量だったのに、そのほかにも美味しいおかずがたくさんあって、さらにご飯までとは、ちょっと無理がありました。(笑)

 恵方巻きが魅力的で、最初に北東に向ってそれだけを食べてしまったもんだから、他のお料理を食べ切ることができなくって、残念な思いをしました。

 
 わたくしと恵方巻きの出会いはそんな感じでしたね。
 安い旅館だったとはいえ、食堂には観光に来たお客さんがたくさんいたわけで、みんなしてでっかい口を開けて北東に向っていたわけです。

 かなりの驚きと異様な光景を体験した、恵方巻きとの出会いでございました。(笑)

 
 ところで、その音楽旅行の最中。
 最初の観光も終わり、いよいよ仕事がはじまって、夕方出勤しだしたんですがね。
 

 なんとその旅館、門限があったのよ!!

 
 門限十一時って……。(汗)
 
 
 仕事初日、知らないで仕事が終わってたらふく飲んでいるときに、マネージャーが旅館に電話していたんです。ちょっと遅くなりますので、心配しないでくださいと。
 
 そしたら、門限がとっくに過ぎているので、帰ってきても入れませんって!!(爆)

 そんな旅館ってあるんですねぇ。びっくりでした。(笑)

 仕方なくその日は朝まで飲んだくれたわけですが、毎回仕事のたびに締め出されてしまうのでは困ると、女将さんに頼んでみたら、裏の勝手戸を開けておいてくれることになったのです。
 
 ところが、たまに開け忘れているときがあって、入れないなんてことがありましてね。
 
 けっきょく二週間くらいで、ビジネスホテルに引越ししました。(笑)


 その後、演奏旅行は一ヶ月弱で終了しまして、みんな関東に帰ったのですが、わたくしはとあるバーのマスターといい関係になってしまい、京都に居座ることになったのです。(ふしだらですねぇ……)
 
 スナックでホステスしながら、そのマスターの家で暮らして、そのうちにマスターのつてでバンドメンバーが集まり、マスターの店で週一くらいで歌っていたのですが、恋が破綻して一年弱で関東に帰還となりました。(笑)

 
 まぁいろいろありましたが、楽しい京都滞在でございました。


 本日の「しのぶが思うハードボイルド」
 
 門限なんてくそったれだ!!(笑)

 以上でございます。(ハードボイルド関係ないのでは?……笑)


 それではまた、酒井しのぶでございました。

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