妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。
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こんばんは、酒井しのぶでございます。
さて、小説の選び方もいよいよ最終回です。三、四、五と一気に行っちゃいましょう。(けっして面倒になったわけではないのですよ……笑)
まずは、その三。分厚いかどうか。
これはもう、単純にわたくしの趣味の問題ですね。長編が好きってだけです。(笑)
我が家にある小説は、文庫本でも厚さが二センチ以上のものが多いです。(あまり厚いと上下巻になるので、その場合は上下合わせた厚さが基準です)
最近の小説は昔のものに比べて、文字がちょびっと大きめですから、厚さだけではなんとも言えないのでしょうが、最低三百ページ以上ないと読む気になりません。三百ページちょうどで、だいたい一センチちょっとくらいでしょうかね。
試しに、愛読している小説の厚さを計ってみました。
ジェイムズ・エルロイ様の「ブラック・ダリア」(文庫サイズ)は、あとがきなどを除いて、五七二ページです。これであとがきや表紙を含めて、二センチと三ミリ。
もう何度も繰り返し読んでボロボロなんで、なるべくギュッと押しつぶして計ってみました。(枕の脇に常設してあるので、ページの角とか折れ曲がっているし、よだれで染みがね……笑)
続いてその四。一人称か、もしくは変則三人称。
これはけっこう、わたくしにとっての大きなポイントになります。
この言葉になじみがない人のために、簡単に説明しておきますね。
小説と言うのは、基本的に一人称と三人称しかありません。(三人称にはいろいろなバリエーションがあります)
一人称というのは、主人公一人の視点で話が描かれるスタイルです。話を進めるためのナレーションは主人公の役割になります。(わたくしの小説はいまのところすべて、一人称です)
三人称というのは、地の文(地の声)と言われる、ナレーションが存在し、ナレーションが話を進めていくスタイルです。三人称が小説ではもっともパーソナルな書き方でしょう。
どちらにも、利点と弱点があります。
一人称では、主人公の感情を生々しく描け、これにより読者に主人公に対する思い入れを強めてもらえるという利点があります。逆に、主人公が五感(六感以上もありですが)で感じたこと以外は描けないという弱点があります。(これはけっこう大きな弱点で、初心者は一人称で書くほうが良いと言う教科書もありますが、わたくしは一人称のほうが難しいと思います)
三人称は、一人称の逆になりますね。個人的な感情を極端に深く立ち入って書くことはできませんが、小説の世界すべてを観ることができるので、主人公が観ていないことも必要であればいくらでも書くことができます。
アニメーションやドラマ、映画などでの場面切り替え的な手法は、一人称ではできませんが、三人称ではできるということです。(小説は文字だけの世界ですので、映像ほど激しい場面転換はできませんが)
さて、そんなことを踏まえて、わたくしの好みは基本的に一人称です。
そもそもわたくしの好きな私立探偵小説というのは、一人称ものがほとんどです。ですから、一人称が好きで、わたくし自身も一人称で書いているわけですね。
もう一つ、変則三人称についてですが、三人称というのは、いろいろなバリエーションがあります。それらをひっくるめて変則三人称と呼んだりするわけですが、そのなかでもわたくしが好きな変則三人称について説明しますね。
またもやジェイムズ・エルロイ様の登場になるわけですが、エルロイ様は主人公を複数人用意する作品が多い作家です。代表的な作品をあげると、「ビッグ・ノーウェア」とか「LAコンフィデンシャル」などでしょうか。
これはどんな書き方なのかと言うと、三人称で、章ごとに主人公を変えていく書き方です。
上記二つの作品はどちらも三人の主人公がいるのですが、章ごとにそれぞれ一人の視点に切り替えて書いていくんです。書き方は三人称(つまり、地の文は主人公を〝彼〟と呼び、〝私〟ではない)なのですが、一つの章のなかでは、限りなく一人称に近く、三人称ではありえないくらいに個人の感情を表現していたりします。(エルロイ様はこの書き方をどんどん極めていき、その後の作品では、まるっきり章ごとに一人称を切り替える書き方の作品もあります)
この書き方の三人称がわたくしはとっても好きです。(激しく難しいので、真似するのはまだまだ先になるでしょうが、いつかやってみたいと思っています)
一見すると、普通の三人称とそれほど大きな違いはないように感じますが、視点が地の文ではない(地の文なのですが地の文らしくない)ので、それぞれの主人公が見たもの、聞いたもの、経験したものしか描かないんです。つまり、主人公が三人ならば、一人称の三つの小説を合体させたのとほとんど同じことになります。
ものすごい綿密なプロットがないと、書けませんね。(わたくしのようないい加減な作家には……汗)
エルロイ様の作品は、変態性癖が満載で、き○がいじみた情念や妄執に溢れ、荒れた感情と暴力に溢れた、熱い作品ばかりなために、こういった〝作品のつくり〟という部分を見落としがちですが、とてつもなく〝細かで正確で綿密なプロット〟で成り立っており、エルロイ様がじつはとっても、几帳面で潔癖な人物なんだと言うことがわかると思います。(狂気的に几帳面で潔癖なわけですから、き○がいなことに違いはないのでしょうが。笑)
あれ?……いつの間にかエルロイ様のファンブログのようなことになっていますね。
とにかく(都合が悪いと〝とにかく〟と言うわたくしです)、わたくしはこの変則三人称がとっても好きです。つまりは、一人称がとっても好きってことです。
最初に述べたとおり、一人称というのは「主人公の感情」を描きやすい(というか、描くため)スタイルであるのにも関わらず、わたくしは実際に書いていて、〝うーん……難しいなぁ〟って思うことがあります。
それはなにかと言いますと、一人称というのは、主人公の〝しゃべり(心の声)〟ですから、「自分自身の姿形」をなかなか書けないってことです。
一人称というのは、基本的に読者に話しかけたりしません。(それは三人称でも同じですが、読者に話し掛ける書き方はありますし、三人称のほうがそれが多いんじゃないと思います)特に、私立探偵小説の場合、ハードボイルドですから、そんな自分のいでたちとかをデレデレと読者に説明なんてしません。さらには、主人公の感情もハードボイルドではなるべく押し殺して書かれるために、実は一人称のほうが、主人公を素っ裸にするのは難しいんだなぁと思ったりするわけです。
とはいえ、わたくしの小説の主人公は、変態性癖丸出しですがね。(ハードボイルドじゃなかったのか!?)
とまぁ、長々と書きましたが、最後のその五にいきましょう。
〝勘〟ですね。
もうほとんどこれで小説を買っていると言ってもいいくらいですよね。
ミステリーの場合、タネ明かしがあるわけですよ。ですから、本屋さんでペラペラとページをめくって、サッと読んでみたりしても、終盤のタネ明かしのところは読めないわけです。(そこを読んじゃったらあなた……)
とはいえ、序盤の何ページかじゃねぇ……。
ですからやっぱり、勘ですよね。序盤の何ページかでわかることって言うのは、その作者の書き方です。
あたりまえですが、序盤っていうのは小説にとって(小説の売れ行きにとって)とっても重要です。ここで売れる小説と売れない小説に別れると言っても過言ではないのです。
それはなぜか。
ほとんどの人が、最初の数ページをペラペラと立ち読みして、面白そうだと思ったら買うからです。売れてしまえばこっちのもんです。そっから先がガッカリな内容でも、とりあえず一冊ぶんの印税は入ります。(笑)
ですから、小説家は最初の数ページに苦心します。ほとんどのミステリー作品は最初の章で殺人が起こります。(わたくしの作品は起こりません。ですから売れません……)
ですが、わたくしが最初の数ページで勘を働かせるのは、そこじゃありません。作家の文体とか、文章の起伏とか、そんなところですね。「ああ、この作家はちょっとしたことでも面白く描ける作家だな」なんてことが感じれれば、三分の二ほど過ぎても事件が発生しない作品だったとしても、面白く読めると思い、買います。
それともう一つ、〝メッセージとか、主張とかを、強くアピールしている作品は買いません〟そんなもん、くそったれです。作者の主張よりも、読者の楽しみのほうが、小説には重要だと、わたくしは思うからです。
序盤で「人生とはこう言うものだ」とか「いつになっても暴力はなくならい。それはなぜか……」とかってなことが書いてある作品は、すぐに閉じてそのまま本棚に戻っていきます。(笑)
そう言うのは、ミステリーなんていうエンターテイメントなジャンルで書かないでいいわ!! ってのがわたくしの考えですので。だいたいにして、殺人とか暴力とかを書いて、読者を楽しませるのがミステリーですから、そんな哲学的な主張をしてどうするのよと。矛盾してるわよと。(笑)
架空とはいえ、人を殺しておかねを稼いでいるくせに、人道的なことを主張してどうするんだと思ったり思わなかったり。
そんな感じで、わたくしは小説を選んでおります。
どうでもいいですね、わたくしの本選びの方法なんて。(笑)
それでは、本日の「しのぶが思うハードボイルド」
どんな悪女にも簡単に惚れ、簡単に命を賭ける。それはつまり、自分の行動に〝覚悟〟がある証拠。
以上です。
それではまた、酒井しのぶでございました。
さて、小説の選び方もいよいよ最終回です。三、四、五と一気に行っちゃいましょう。(けっして面倒になったわけではないのですよ……笑)
まずは、その三。分厚いかどうか。
これはもう、単純にわたくしの趣味の問題ですね。長編が好きってだけです。(笑)
我が家にある小説は、文庫本でも厚さが二センチ以上のものが多いです。(あまり厚いと上下巻になるので、その場合は上下合わせた厚さが基準です)
最近の小説は昔のものに比べて、文字がちょびっと大きめですから、厚さだけではなんとも言えないのでしょうが、最低三百ページ以上ないと読む気になりません。三百ページちょうどで、だいたい一センチちょっとくらいでしょうかね。
試しに、愛読している小説の厚さを計ってみました。
ジェイムズ・エルロイ様の「ブラック・ダリア」(文庫サイズ)は、あとがきなどを除いて、五七二ページです。これであとがきや表紙を含めて、二センチと三ミリ。
もう何度も繰り返し読んでボロボロなんで、なるべくギュッと押しつぶして計ってみました。(枕の脇に常設してあるので、ページの角とか折れ曲がっているし、よだれで染みがね……笑)
続いてその四。一人称か、もしくは変則三人称。
これはけっこう、わたくしにとっての大きなポイントになります。
この言葉になじみがない人のために、簡単に説明しておきますね。
小説と言うのは、基本的に一人称と三人称しかありません。(三人称にはいろいろなバリエーションがあります)
一人称というのは、主人公一人の視点で話が描かれるスタイルです。話を進めるためのナレーションは主人公の役割になります。(わたくしの小説はいまのところすべて、一人称です)
三人称というのは、地の文(地の声)と言われる、ナレーションが存在し、ナレーションが話を進めていくスタイルです。三人称が小説ではもっともパーソナルな書き方でしょう。
どちらにも、利点と弱点があります。
一人称では、主人公の感情を生々しく描け、これにより読者に主人公に対する思い入れを強めてもらえるという利点があります。逆に、主人公が五感(六感以上もありですが)で感じたこと以外は描けないという弱点があります。(これはけっこう大きな弱点で、初心者は一人称で書くほうが良いと言う教科書もありますが、わたくしは一人称のほうが難しいと思います)
三人称は、一人称の逆になりますね。個人的な感情を極端に深く立ち入って書くことはできませんが、小説の世界すべてを観ることができるので、主人公が観ていないことも必要であればいくらでも書くことができます。
アニメーションやドラマ、映画などでの場面切り替え的な手法は、一人称ではできませんが、三人称ではできるということです。(小説は文字だけの世界ですので、映像ほど激しい場面転換はできませんが)
さて、そんなことを踏まえて、わたくしの好みは基本的に一人称です。
そもそもわたくしの好きな私立探偵小説というのは、一人称ものがほとんどです。ですから、一人称が好きで、わたくし自身も一人称で書いているわけですね。
もう一つ、変則三人称についてですが、三人称というのは、いろいろなバリエーションがあります。それらをひっくるめて変則三人称と呼んだりするわけですが、そのなかでもわたくしが好きな変則三人称について説明しますね。
またもやジェイムズ・エルロイ様の登場になるわけですが、エルロイ様は主人公を複数人用意する作品が多い作家です。代表的な作品をあげると、「ビッグ・ノーウェア」とか「LAコンフィデンシャル」などでしょうか。
これはどんな書き方なのかと言うと、三人称で、章ごとに主人公を変えていく書き方です。
上記二つの作品はどちらも三人の主人公がいるのですが、章ごとにそれぞれ一人の視点に切り替えて書いていくんです。書き方は三人称(つまり、地の文は主人公を〝彼〟と呼び、〝私〟ではない)なのですが、一つの章のなかでは、限りなく一人称に近く、三人称ではありえないくらいに個人の感情を表現していたりします。(エルロイ様はこの書き方をどんどん極めていき、その後の作品では、まるっきり章ごとに一人称を切り替える書き方の作品もあります)
この書き方の三人称がわたくしはとっても好きです。(激しく難しいので、真似するのはまだまだ先になるでしょうが、いつかやってみたいと思っています)
一見すると、普通の三人称とそれほど大きな違いはないように感じますが、視点が地の文ではない(地の文なのですが地の文らしくない)ので、それぞれの主人公が見たもの、聞いたもの、経験したものしか描かないんです。つまり、主人公が三人ならば、一人称の三つの小説を合体させたのとほとんど同じことになります。
ものすごい綿密なプロットがないと、書けませんね。(わたくしのようないい加減な作家には……汗)
エルロイ様の作品は、変態性癖が満載で、き○がいじみた情念や妄執に溢れ、荒れた感情と暴力に溢れた、熱い作品ばかりなために、こういった〝作品のつくり〟という部分を見落としがちですが、とてつもなく〝細かで正確で綿密なプロット〟で成り立っており、エルロイ様がじつはとっても、几帳面で潔癖な人物なんだと言うことがわかると思います。(狂気的に几帳面で潔癖なわけですから、き○がいなことに違いはないのでしょうが。笑)
あれ?……いつの間にかエルロイ様のファンブログのようなことになっていますね。
とにかく(都合が悪いと〝とにかく〟と言うわたくしです)、わたくしはこの変則三人称がとっても好きです。つまりは、一人称がとっても好きってことです。
最初に述べたとおり、一人称というのは「主人公の感情」を描きやすい(というか、描くため)スタイルであるのにも関わらず、わたくしは実際に書いていて、〝うーん……難しいなぁ〟って思うことがあります。
それはなにかと言いますと、一人称というのは、主人公の〝しゃべり(心の声)〟ですから、「自分自身の姿形」をなかなか書けないってことです。
一人称というのは、基本的に読者に話しかけたりしません。(それは三人称でも同じですが、読者に話し掛ける書き方はありますし、三人称のほうがそれが多いんじゃないと思います)特に、私立探偵小説の場合、ハードボイルドですから、そんな自分のいでたちとかをデレデレと読者に説明なんてしません。さらには、主人公の感情もハードボイルドではなるべく押し殺して書かれるために、実は一人称のほうが、主人公を素っ裸にするのは難しいんだなぁと思ったりするわけです。
とはいえ、わたくしの小説の主人公は、変態性癖丸出しですがね。(ハードボイルドじゃなかったのか!?)
とまぁ、長々と書きましたが、最後のその五にいきましょう。
〝勘〟ですね。
もうほとんどこれで小説を買っていると言ってもいいくらいですよね。
ミステリーの場合、タネ明かしがあるわけですよ。ですから、本屋さんでペラペラとページをめくって、サッと読んでみたりしても、終盤のタネ明かしのところは読めないわけです。(そこを読んじゃったらあなた……)
とはいえ、序盤の何ページかじゃねぇ……。
ですからやっぱり、勘ですよね。序盤の何ページかでわかることって言うのは、その作者の書き方です。
あたりまえですが、序盤っていうのは小説にとって(小説の売れ行きにとって)とっても重要です。ここで売れる小説と売れない小説に別れると言っても過言ではないのです。
それはなぜか。
ほとんどの人が、最初の数ページをペラペラと立ち読みして、面白そうだと思ったら買うからです。売れてしまえばこっちのもんです。そっから先がガッカリな内容でも、とりあえず一冊ぶんの印税は入ります。(笑)
ですから、小説家は最初の数ページに苦心します。ほとんどのミステリー作品は最初の章で殺人が起こります。(わたくしの作品は起こりません。ですから売れません……)
ですが、わたくしが最初の数ページで勘を働かせるのは、そこじゃありません。作家の文体とか、文章の起伏とか、そんなところですね。「ああ、この作家はちょっとしたことでも面白く描ける作家だな」なんてことが感じれれば、三分の二ほど過ぎても事件が発生しない作品だったとしても、面白く読めると思い、買います。
それともう一つ、〝メッセージとか、主張とかを、強くアピールしている作品は買いません〟そんなもん、くそったれです。作者の主張よりも、読者の楽しみのほうが、小説には重要だと、わたくしは思うからです。
序盤で「人生とはこう言うものだ」とか「いつになっても暴力はなくならい。それはなぜか……」とかってなことが書いてある作品は、すぐに閉じてそのまま本棚に戻っていきます。(笑)
そう言うのは、ミステリーなんていうエンターテイメントなジャンルで書かないでいいわ!! ってのがわたくしの考えですので。だいたいにして、殺人とか暴力とかを書いて、読者を楽しませるのがミステリーですから、そんな哲学的な主張をしてどうするのよと。矛盾してるわよと。(笑)
架空とはいえ、人を殺しておかねを稼いでいるくせに、人道的なことを主張してどうするんだと思ったり思わなかったり。
そんな感じで、わたくしは小説を選んでおります。
どうでもいいですね、わたくしの本選びの方法なんて。(笑)
それでは、本日の「しのぶが思うハードボイルド」
どんな悪女にも簡単に惚れ、簡単に命を賭ける。それはつまり、自分の行動に〝覚悟〟がある証拠。
以上です。
それではまた、酒井しのぶでございました。
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Comment
Re:小説の選び方 その三と四、そして五までいっちゃえ!
おはようございます。
さすが小説の書き方、よく分析してありますね。
内容も納得です。
内容によってかき分けたりするのでしょうけれど、一人称は確かに主人公に感情移入しやすくそれは作者も同じでしょうけれど、書かれていますように限界はありますね。
3人称は視点の問題が入ってきて、特にミステリーでは厳密に言うととても難しい問題があるようですね。
一人称はその点問題なく、ハードボイルドは最適なのでしょうね。
「どんな悪女にも簡単に惚れ、簡単に命を賭ける。それはつまり、自分の行動に〝覚悟〟がある証拠」、これは至言だと思います(*^_^*)
さすが小説の書き方、よく分析してありますね。
内容も納得です。
内容によってかき分けたりするのでしょうけれど、一人称は確かに主人公に感情移入しやすくそれは作者も同じでしょうけれど、書かれていますように限界はありますね。
3人称は視点の問題が入ってきて、特にミステリーでは厳密に言うととても難しい問題があるようですね。
一人称はその点問題なく、ハードボイルドは最適なのでしょうね。
「どんな悪女にも簡単に惚れ、簡単に命を賭ける。それはつまり、自分の行動に〝覚悟〟がある証拠」、これは至言だと思います(*^_^*)
KOZOUさんへ
主人公が体験したことだけで、推理をするという点では、一人称は使い勝手が良いですし、フェアな書き方になりますね。
逆にたとえば、主人公が気を失っている間に重大な出来事があったりしても、書けないという弱点があって、あとから誰かに聞かされたという設定にせざるを得ないという、なんとも腹立たしいことになったりもします。(笑)
格闘などの〝行動させる〟シーンが多いのもハードボイルド小説の特徴ですが、主人公は常に勝利をしなきゃ(行動し続けなきゃ)話を進行できないという制約があるのが、たまに理不尽に感じたりするのは事実ですね。たまには情けない姿でぶっ倒れさせてやりたいと、作者としては思うのですが(笑)
ハードボイルドというのは、自分の決断に常に覚悟があって、覚悟ができているからこそ、決断も早く、迷いもなく、恐れも後悔も愚痴もないのだと思います。
逆にたとえば、主人公が気を失っている間に重大な出来事があったりしても、書けないという弱点があって、あとから誰かに聞かされたという設定にせざるを得ないという、なんとも腹立たしいことになったりもします。(笑)
格闘などの〝行動させる〟シーンが多いのもハードボイルド小説の特徴ですが、主人公は常に勝利をしなきゃ(行動し続けなきゃ)話を進行できないという制約があるのが、たまに理不尽に感じたりするのは事実ですね。たまには情けない姿でぶっ倒れさせてやりたいと、作者としては思うのですが(笑)
ハードボイルドというのは、自分の決断に常に覚悟があって、覚悟ができているからこそ、決断も早く、迷いもなく、恐れも後悔も愚痴もないのだと思います。
KOZOUさんへ
こちらこそ、いつもありがとうございます。
感謝の気持ちでいっぱいです。
いま、長編の執筆中なので、なかなか時間がとれませんが、書き終わったらまた、ゆっくりとKOZOUさんの作品を読みたいと思っています。
感謝の気持ちでいっぱいです。
いま、長編の執筆中なので、なかなか時間がとれませんが、書き終わったらまた、ゆっくりとKOZOUさんの作品を読みたいと思っています。
Re:小説の選び方 その三と四、そして五までいっちゃえ!
はじめまして。
すごいですね。小説お書きになっているのですね!
私もミステリーが好きですが、SFとかも読みます。
さっそくお気に入りに入れさせていただきました。あとでゆっくり読ませていただきます。
感想文お送りしますね。
私は古い布で小物など作っています。よかったら遊びにおいで下さい。
すごいですね。小説お書きになっているのですね!
私もミステリーが好きですが、SFとかも読みます。
さっそくお気に入りに入れさせていただきました。あとでゆっくり読ませていただきます。
感想文お送りしますね。
私は古い布で小物など作っています。よかったら遊びにおいで下さい。
乙女小箱さんへ
はじめまして。
コメントありがとうございます。
素人のつたない作品ですが、楽しんでいただけたらと思います。
小物ですか! 女の子はいつでもいくつになっても、小物が大好きなものです。(笑)
ぜひ、遊びにいきたいと思います。よろしくお願いいたしますね。(*´ω` )ノ
コメントありがとうございます。
素人のつたない作品ですが、楽しんでいただけたらと思います。
小物ですか! 女の子はいつでもいくつになっても、小物が大好きなものです。(笑)
ぜひ、遊びにいきたいと思います。よろしくお願いいたしますね。(*´ω` )ノ
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