妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。
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こんにちは、酒井しのぶでございます。
さて、先日実家に帰ったら、懐かしい本が出てきました。
ドルトン・トランボの「ジョニーは戦場へ行った」です。映画にもなりましたね。わたくしが生まれるよりも前、一九七一年、作者自身が脚本・監督を務めて作られましたので、通常の小説から映画化になる作品とは違い、原作になかり忠実でした。(わたくしが観たのは、当然ですがもっとずっとあとです)
わたくしがこの本を買ったのは、中学生のころでした。
当時、ブルーハーツって伝説の邦楽ビートロックバンド(パンクとはいいません。あれはパンクじゃないと解釈していますので)が世に顔を出し始めた頃でした。
わたくしは、バンドがらみの先輩が観に行った、ブルーハーツの初ワンマンライブ(まだインディーズの頃)の無許可録音したカセットテープをダビングしてもらっていたので、世間に広まるよりも前から、彼らを知っておりました。(当時はカセットテープだったのよ! CD? なにそれ?? MD? なんじゃそりゃあ!? 笑)
なぜかブルーハーツの話になってしまいましたが、せっかくだからちょっと話しますか。
ブルーハーツで忘れられない思い出と言えば、ヒロトが超細いジーンズを履いていて、ライブでそれをすぐに脱いじゃうってことでしょう。(そこかい!! 笑)
ヒロトはパンツを履いていないので、いつも放送できないモノがあらわになっておりました。(いやーん!)
最初のうちわたくしは、〝ヒロトは貧乏だからパンツが買えないんだ〟と思ってました。まぁ、間違いじゃないんでしょうが、これはじつはファッションだったんですね。
ブルーハーツのメンバーたちが大好きだったパンクロックは、イギリス生まれです。イギリスでは細身のジーンズを履くときにはパンツ履かない人が多いらしいです。(まじか!)
日本じゃちょっと考えられないことですが、イギリスは気温も湿度も日本より低いので、蒸れたり雑菌が繁殖したりしづらいそうです。ですから、日本でパンツを履かないのと違い、清潔な状態は保てるそうです。(これはずいぶん昔にロンドン在住の友人に聞いたことなので、いまもパンツ履かない人が多いのかは知りません)
さて、そんなブルーハーツですが(どんなだ!?)、二枚目のアルバム「ヤング・アンド・プリティ」に「ラインを超えて」という曲があり、〝ジョニーは戦場へ行った〟という歌詞が出てきます。
ジョニーって誰よ?
この疑問が、わたくしとジョニーとの出会いでした。
以下、ネタばれ注意報発令します。内容を知りたくない人は読まないでくださいませね。
ジョーは暗闇のなかで目覚めます。自分が病院にいることを状況から感じ取りますが、自分の身になにが起こっているのかは知りません。とにかく、第一次世界大戦で兵士として活動中に被弾し、なんとか死なずに済んだんだと言うことはわかりました。婚約者のカリーンとは兵士として駆りだされるときに涙の別れをしたっきり。〝そうだ、婚約指輪はどうなった?〟ジョーは左の薬指を確認しようとしますが、顔には布のようなものがかぶされていて、真っ暗なために見えません。体を動かそうとして気がつきます。
〝左手がない!! 手どころか両腕も両足もない!!〟
看護婦が顔にかぶさった布をとって、頭に巻かれた包帯を取り替えてくれます。状況を探ろうとしたジョーは気がつきます。
〝目がない! 鼻もない!! 耳も口もない!! 顔が顎から額の手前までえぐりとられているじゃないか!!〟
ジョーは被弾して、両手足と顔を失い、〝脳みそと臓器と性器と皮膚のわずかな触感〟以外のすべてを失ったのです。
悲観に暮れるジョーですが、あるとき額に熱いものを感じ、それが太陽の光であると気がつきます。そして、なにも感じない冷たい状態から太陽の熱を感じると言うことは、それは朝日なのだと確信し、それをもとに時間を手に入れる努力を始めます。
太陽の熱を感じてから、看護婦が現れるまで数を数えて時間を計ります。看護婦や医師が現れる周期を探り、タイムスケジュールを知ることで、〝一日〟を手にいれます。一日を数え続けて、一年を手にいれ、光も音も匂いも味もない世界に時間を確立します。
その後今度は、首を上下に振り、枕を叩いてモールス信号を送ります。医師にも看護婦にもそれがなんなのかわからず、やさしい看護婦は勘違いをして、何もかも失ったのになぜか残ったジョーの〝性器〟を愛撫してくれます。(笑いごとじゃないんですが、なぜ性器が残っているのだろうと……ちょっと疑問が。汗)それでもあきらめずに、モールス信号を送り続け、ついに看護婦がそれに気がついてくれて、ついに隔てられた世界とのコンタクトに成功します。
ここから先はジョーの妄想世界がどんどん拡大していき混沌となっていきます。この小説を読むには、次のことがとっても重要です。
そうです、ジョン・レノンは言いました。〝想像してごらん〟と。(あまりジョンの話は関係ないのですがね)
想像してみましょう。
戦争のせいで婚約者と離れ戦地に向う恐怖を。
想像してみましょう。
いつ被弾するかもわからない戦地で殺し合いをしなきゃならない恐怖を。
想像してみましょう。
脳みそと性器とわずかな触感以外のすべてを失う恐怖を。
想像してみましょう。
そんな体になって自殺すらできない恐怖を。
この小説は、視覚も味覚も嗅覚も聴覚もなく、唯一ある触覚も自分の意思では手に入らないとう主人公ジョーの、完全一視点で書かれています。ですので、情報が限りなく少なく、描かれるものは〝ジョーの思考〟と〝与えられる触覚から手に入る情報〟のみになります。台詞などなく、すべてがジョーの頭のなかの考えだけなのです。
本来ならば、医師や看護婦、あるいは婚約者などの視点も描ける三人称で書いたほうが、よりわかりやすく、より話の広がりがある小説にできたのだと思います。
ですが、ドルトン・トランボはそれをしなかったのです。
それはきっと、描くべきものがはっきりしていたからでしょう。肉片と化したジョーの心情、ただそれだけこそが、この小説の重要な部分で、反戦を訴えるにあたって、それ以外は必要なかったのだと思います。
ですが、この特異な形態の主人公の心情を感じ取るには、普通に読んでいてもだめなんだろうなと、わたくしは思いました。ジョーの感情のみで書かれている小説は、ジョーの立場がわからなければ、ダメなのかなと。つまり、ジョーの気持ちしかない小説だから、その気持ちになれなきゃ、なんにもない小説になっちゃうということです。
ですから、上記のように〝想像してみましょう〟ってことになったわけですね。
もちろん戦争には反対ですが、なにもこのブログで大げさに反戦を訴えるつもりで書いたわけではありません。
ただまぁ、中学生のときに出会った小説としては、かなりな衝撃だったのは確かです。
内容はもちろんですが、やはり書き方に驚きましたね。
それまで読んできたどの小説にもない書き方ですからね。なにせ、モールス信号が伝わるまでの間、主人公は自分の意思以外の世界と交流すらできないわけです。序盤中盤は本当に、ジョーの感情のみ。
回送シーンが若干ありますが、それも感情世界のなかのほんの一遍でしかないという作りですからね。
久しぶりに読んでみましたが、面白いことに気がつきました。
普通、どんな小説でも(映画でも漫画でも同じですね)、歳を重ねてから読み直すと、違った面白さに出会うものなんですが、この小説はそうじゃありませんでした。
はじめて読んだときの、衝撃と興奮と恐怖と怒り、そして悲しみ。
同じでしたね。中学生の頃となにも変わらないものを、感じました。
ただ一つ違ったのは、あの頃の自分を思い出したと言う点でしょうか。(あの頃はかわいかったなぁって……え? 違う? 笑)
まぁそれくらいに、強烈な内容の小説ってことです。考えるとか、あれこれ思案しながら読むとか、そんな生ぬるいもんじゃないってことですね。
さて、最後にこの小説のタイトル、わたくしも思った〝ジョニーって誰?〟って疑問の答えと行きましょうか。
主人公は〝ジョー〟です。「ニックネームがジョニー?」って思ったりもしますが、アメリカじゃニックネームは当たり前に使われますから、だったらジョーじゃなく、ジョニーと書けよと思いますよね。
ジョニーとは、第一次世界大戦当時、アメリカで志願兵を募るためのキャッチコピー「Johnny Get Your Gun」のジョニーです。
つまり、アメリカが「ジョニーよ、銃を取れ!!」って言い、「ジョニーは戦場へ行った」わけです。(日本だったら、太郎よ、銃を取れ! でしょうか)
この上ない強烈な皮肉であり、ほかに選択しようがないというくらいにピッタリなタイトルです。
そりゃ発売禁止にもなりますね。まぁでも、発売禁止されることが余計に人気を高め、反戦という目的を明確にしている証拠にもなっていますからね。これは逆に名誉なことなのかもしれません。
では今日の「しのぶが思うハードボイルド」
どいつもこいつも背が高い。
以上でございます。(だんだん、いままで書いてきたのを忘れてきた……笑)
それではまた、酒井しのぶでございました。
さて、先日実家に帰ったら、懐かしい本が出てきました。
ドルトン・トランボの「ジョニーは戦場へ行った」です。映画にもなりましたね。わたくしが生まれるよりも前、一九七一年、作者自身が脚本・監督を務めて作られましたので、通常の小説から映画化になる作品とは違い、原作になかり忠実でした。(わたくしが観たのは、当然ですがもっとずっとあとです)
わたくしがこの本を買ったのは、中学生のころでした。
当時、ブルーハーツって伝説の邦楽ビートロックバンド(パンクとはいいません。あれはパンクじゃないと解釈していますので)が世に顔を出し始めた頃でした。
わたくしは、バンドがらみの先輩が観に行った、ブルーハーツの初ワンマンライブ(まだインディーズの頃)の無許可録音したカセットテープをダビングしてもらっていたので、世間に広まるよりも前から、彼らを知っておりました。(当時はカセットテープだったのよ! CD? なにそれ?? MD? なんじゃそりゃあ!? 笑)
なぜかブルーハーツの話になってしまいましたが、せっかくだからちょっと話しますか。
ブルーハーツで忘れられない思い出と言えば、ヒロトが超細いジーンズを履いていて、ライブでそれをすぐに脱いじゃうってことでしょう。(そこかい!! 笑)
ヒロトはパンツを履いていないので、いつも放送できないモノがあらわになっておりました。(いやーん!)
最初のうちわたくしは、〝ヒロトは貧乏だからパンツが買えないんだ〟と思ってました。まぁ、間違いじゃないんでしょうが、これはじつはファッションだったんですね。
ブルーハーツのメンバーたちが大好きだったパンクロックは、イギリス生まれです。イギリスでは細身のジーンズを履くときにはパンツ履かない人が多いらしいです。(まじか!)
日本じゃちょっと考えられないことですが、イギリスは気温も湿度も日本より低いので、蒸れたり雑菌が繁殖したりしづらいそうです。ですから、日本でパンツを履かないのと違い、清潔な状態は保てるそうです。(これはずいぶん昔にロンドン在住の友人に聞いたことなので、いまもパンツ履かない人が多いのかは知りません)
さて、そんなブルーハーツですが(どんなだ!?)、二枚目のアルバム「ヤング・アンド・プリティ」に「ラインを超えて」という曲があり、〝ジョニーは戦場へ行った〟という歌詞が出てきます。
ジョニーって誰よ?
この疑問が、わたくしとジョニーとの出会いでした。
以下、ネタばれ注意報発令します。内容を知りたくない人は読まないでくださいませね。
ジョーは暗闇のなかで目覚めます。自分が病院にいることを状況から感じ取りますが、自分の身になにが起こっているのかは知りません。とにかく、第一次世界大戦で兵士として活動中に被弾し、なんとか死なずに済んだんだと言うことはわかりました。婚約者のカリーンとは兵士として駆りだされるときに涙の別れをしたっきり。〝そうだ、婚約指輪はどうなった?〟ジョーは左の薬指を確認しようとしますが、顔には布のようなものがかぶされていて、真っ暗なために見えません。体を動かそうとして気がつきます。
〝左手がない!! 手どころか両腕も両足もない!!〟
看護婦が顔にかぶさった布をとって、頭に巻かれた包帯を取り替えてくれます。状況を探ろうとしたジョーは気がつきます。
〝目がない! 鼻もない!! 耳も口もない!! 顔が顎から額の手前までえぐりとられているじゃないか!!〟
ジョーは被弾して、両手足と顔を失い、〝脳みそと臓器と性器と皮膚のわずかな触感〟以外のすべてを失ったのです。
悲観に暮れるジョーですが、あるとき額に熱いものを感じ、それが太陽の光であると気がつきます。そして、なにも感じない冷たい状態から太陽の熱を感じると言うことは、それは朝日なのだと確信し、それをもとに時間を手に入れる努力を始めます。
太陽の熱を感じてから、看護婦が現れるまで数を数えて時間を計ります。看護婦や医師が現れる周期を探り、タイムスケジュールを知ることで、〝一日〟を手にいれます。一日を数え続けて、一年を手にいれ、光も音も匂いも味もない世界に時間を確立します。
その後今度は、首を上下に振り、枕を叩いてモールス信号を送ります。医師にも看護婦にもそれがなんなのかわからず、やさしい看護婦は勘違いをして、何もかも失ったのになぜか残ったジョーの〝性器〟を愛撫してくれます。(笑いごとじゃないんですが、なぜ性器が残っているのだろうと……ちょっと疑問が。汗)それでもあきらめずに、モールス信号を送り続け、ついに看護婦がそれに気がついてくれて、ついに隔てられた世界とのコンタクトに成功します。
ここから先はジョーの妄想世界がどんどん拡大していき混沌となっていきます。この小説を読むには、次のことがとっても重要です。
そうです、ジョン・レノンは言いました。〝想像してごらん〟と。(あまりジョンの話は関係ないのですがね)
想像してみましょう。
戦争のせいで婚約者と離れ戦地に向う恐怖を。
想像してみましょう。
いつ被弾するかもわからない戦地で殺し合いをしなきゃならない恐怖を。
想像してみましょう。
脳みそと性器とわずかな触感以外のすべてを失う恐怖を。
想像してみましょう。
そんな体になって自殺すらできない恐怖を。
この小説は、視覚も味覚も嗅覚も聴覚もなく、唯一ある触覚も自分の意思では手に入らないとう主人公ジョーの、完全一視点で書かれています。ですので、情報が限りなく少なく、描かれるものは〝ジョーの思考〟と〝与えられる触覚から手に入る情報〟のみになります。台詞などなく、すべてがジョーの頭のなかの考えだけなのです。
本来ならば、医師や看護婦、あるいは婚約者などの視点も描ける三人称で書いたほうが、よりわかりやすく、より話の広がりがある小説にできたのだと思います。
ですが、ドルトン・トランボはそれをしなかったのです。
それはきっと、描くべきものがはっきりしていたからでしょう。肉片と化したジョーの心情、ただそれだけこそが、この小説の重要な部分で、反戦を訴えるにあたって、それ以外は必要なかったのだと思います。
ですが、この特異な形態の主人公の心情を感じ取るには、普通に読んでいてもだめなんだろうなと、わたくしは思いました。ジョーの感情のみで書かれている小説は、ジョーの立場がわからなければ、ダメなのかなと。つまり、ジョーの気持ちしかない小説だから、その気持ちになれなきゃ、なんにもない小説になっちゃうということです。
ですから、上記のように〝想像してみましょう〟ってことになったわけですね。
もちろん戦争には反対ですが、なにもこのブログで大げさに反戦を訴えるつもりで書いたわけではありません。
ただまぁ、中学生のときに出会った小説としては、かなりな衝撃だったのは確かです。
内容はもちろんですが、やはり書き方に驚きましたね。
それまで読んできたどの小説にもない書き方ですからね。なにせ、モールス信号が伝わるまでの間、主人公は自分の意思以外の世界と交流すらできないわけです。序盤中盤は本当に、ジョーの感情のみ。
回送シーンが若干ありますが、それも感情世界のなかのほんの一遍でしかないという作りですからね。
久しぶりに読んでみましたが、面白いことに気がつきました。
普通、どんな小説でも(映画でも漫画でも同じですね)、歳を重ねてから読み直すと、違った面白さに出会うものなんですが、この小説はそうじゃありませんでした。
はじめて読んだときの、衝撃と興奮と恐怖と怒り、そして悲しみ。
同じでしたね。中学生の頃となにも変わらないものを、感じました。
ただ一つ違ったのは、あの頃の自分を思い出したと言う点でしょうか。(あの頃はかわいかったなぁって……え? 違う? 笑)
まぁそれくらいに、強烈な内容の小説ってことです。考えるとか、あれこれ思案しながら読むとか、そんな生ぬるいもんじゃないってことですね。
さて、最後にこの小説のタイトル、わたくしも思った〝ジョニーって誰?〟って疑問の答えと行きましょうか。
主人公は〝ジョー〟です。「ニックネームがジョニー?」って思ったりもしますが、アメリカじゃニックネームは当たり前に使われますから、だったらジョーじゃなく、ジョニーと書けよと思いますよね。
ジョニーとは、第一次世界大戦当時、アメリカで志願兵を募るためのキャッチコピー「Johnny Get Your Gun」のジョニーです。
つまり、アメリカが「ジョニーよ、銃を取れ!!」って言い、「ジョニーは戦場へ行った」わけです。(日本だったら、太郎よ、銃を取れ! でしょうか)
この上ない強烈な皮肉であり、ほかに選択しようがないというくらいにピッタリなタイトルです。
そりゃ発売禁止にもなりますね。まぁでも、発売禁止されることが余計に人気を高め、反戦という目的を明確にしている証拠にもなっていますからね。これは逆に名誉なことなのかもしれません。
では今日の「しのぶが思うハードボイルド」
どいつもこいつも背が高い。
以上でございます。(だんだん、いままで書いてきたのを忘れてきた……笑)
それではまた、酒井しのぶでございました。
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Comment
Re:ジョニーっていったい誰よ!?
ジョニー・・・
僕の事かと(爆)
ロシアンパブやフィリピンパブに行った時、
名前を言うのが面倒なんで、
「ジョニー・グレイト」って名前で通してる(爆)
「日本人なのに?」って聞かれるから、
「イギリス生まれや!」と答えてる(苦笑)
イギリスは日本より気温も湿度も低いから、
菌が繁殖しにくい・・・
「慇懃無礼」
他人にパンツを貸して、
イ◎キンを伝染す事(爆)
失礼しましたm(__)m
僕の事かと(爆)
ロシアンパブやフィリピンパブに行った時、
名前を言うのが面倒なんで、
「ジョニー・グレイト」って名前で通してる(爆)
「日本人なのに?」って聞かれるから、
「イギリス生まれや!」と答えてる(苦笑)
イギリスは日本より気温も湿度も低いから、
菌が繁殖しにくい・・・
「慇懃無礼」
他人にパンツを貸して、
イ◎キンを伝染す事(爆)
失礼しましたm(__)m
けびんさんへ
こんばんは。
けびんだのジョニーだのと、かっこいいお名前がいっぱいおありのようで。(笑)
ジョニー・グレイトって、なんかしびれる名前です。( *´艸`)
他人のパンツは履いちゃいけませんよ。(笑)
けびんだのジョニーだのと、かっこいいお名前がいっぱいおありのようで。(笑)
ジョニー・グレイトって、なんかしびれる名前です。( *´艸`)
他人のパンツは履いちゃいけませんよ。(笑)
思い出したぞジョニー!
こんばんは。
私も読みましたよ。中学生の時に。(でもきっと
しのぶさんよりずっと過去^^;)
で、自分の貧粗な想像力に限界を感じながらも、
これからまだまだ先が長いであろう我が人生に
とてつもなく重いテーマを背負っちまったぞ、
みたいに思ったのを覚えています。
で、懲りもせず映画を観ました。(おかしいなぁ、
MじゃなくてドSのはずなのに)
主演はティモシー・ハットンやったかな?
テーマの重さを再確認しました。
それ以降、どこか暗い映画が
好きになってしまったような気がします。
あっそうだ、余談ですが、私の大好きなF.M氏も、
ライヴ中はパンツ履かないみたいですよ*^^*
私も読みましたよ。中学生の時に。(でもきっと
しのぶさんよりずっと過去^^;)
で、自分の貧粗な想像力に限界を感じながらも、
これからまだまだ先が長いであろう我が人生に
とてつもなく重いテーマを背負っちまったぞ、
みたいに思ったのを覚えています。
で、懲りもせず映画を観ました。(おかしいなぁ、
MじゃなくてドSのはずなのに)
主演はティモシー・ハットンやったかな?
テーマの重さを再確認しました。
それ以降、どこか暗い映画が
好きになってしまったような気がします。
あっそうだ、余談ですが、私の大好きなF.M氏も、
ライヴ中はパンツ履かないみたいですよ*^^*
みはるさんへ
こんばんは。コメントありがとうございます。
中学生にはかなり衝撃的な内容ですよね。人生に影響を与えるだけの爆発力はじゅうぶんにある作品ですね。
ミュージシャンはけっこう、ノーパン派が多いんですよ。(笑)
ロックはファッションも重要ですからね。本家イギリスへの憧れがノーパンの日本人を生むんです。(笑)
中学生にはかなり衝撃的な内容ですよね。人生に影響を与えるだけの爆発力はじゅうぶんにある作品ですね。
ミュージシャンはけっこう、ノーパン派が多いんですよ。(笑)
ロックはファッションも重要ですからね。本家イギリスへの憧れがノーパンの日本人を生むんです。(笑)
けびんさんへ
笑わせていただきました。(笑)
Re:ジョニーっていったい誰よ!?
おはようございます
本は読んでいないのですが映画は見ました。
どちらもちょっとしたブームだったですね。
強烈な思い出があります。
番号で呼ばれ実験材料としてだけ生かされる命。
殺すことが慈悲と思いますけれど。
ほんとに「ジョニーよ、銃を取れ」の強烈な皮肉なのですね。
ノーパンはなんか根源的不安を伴いそうですが(^_^;)
「パンツをはいた猿」がノーパンだと猿そのものですね。
これはけして猿の蔑視ではありません(^_^;)
本は読んでいないのですが映画は見ました。
どちらもちょっとしたブームだったですね。
強烈な思い出があります。
番号で呼ばれ実験材料としてだけ生かされる命。
殺すことが慈悲と思いますけれど。
ほんとに「ジョニーよ、銃を取れ」の強烈な皮肉なのですね。
ノーパンはなんか根源的不安を伴いそうですが(^_^;)
「パンツをはいた猿」がノーパンだと猿そのものですね。
これはけして猿の蔑視ではありません(^_^;)
KOZOUさんへ
殺すのが慈悲なのかという問題も、大きく議論を呼びそうですね。
手塚治虫のブラックジャックでも、ドクター・キリコとブラックジャックの間で、この葛藤が描かれ続けましたが、ブラックジャックは、ジョーを前にして果たして生かすための治療をするのだろうか、そんな疑問を考えずにいられません。
パンツ、たしかに履かないでいると不安なのわかります。(笑)
手塚治虫のブラックジャックでも、ドクター・キリコとブラックジャックの間で、この葛藤が描かれ続けましたが、ブラックジャックは、ジョーを前にして果たして生かすための治療をするのだろうか、そんな疑問を考えずにいられません。
パンツ、たしかに履かないでいると不安なのわかります。(笑)
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