妄想/連想/暴走――激走する脳内モルヒネの意想。 変態ハードボイルド小説作家の有相無相――
酒井しのぶの作品紹介
【ファッキン・シスターズ・クライスト】
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
![](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/b8eafacedab90e882efc28425b82a3db/1268133120)
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
![](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/b8eafacedab90e882efc28425b82a3db/1268133068)
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
酒好きで女好きで自堕落で格好つけの片桐有二は、二十五年まえに体験したレイプ事件のトラウマに悩まされる、ハードボイルドを気取った私立探偵。ある依頼がもとで、変態性癖が巻き起こす事件に首を突っ込むことになってしまう。高飛車で自分勝手なふしだら女の酒井しのぶと共に、事件の真相を探りだすのだが……推理あり、シリアスありの、本格ハードボイルド長編小説。
【あいつとの電話】
ツンデレコンビのしのぶと有二。小説のなかだけじゃなく、普段の会話も超ツンデレ&超下品でちょっぴりエッチ!
酒井しのぶの小説に登場する二人が織り成す、会話のみの超ショートショート作品集です。一話読みきりなので、お気軽に読んでいただければと思います。
【Shinobu to Yuji 短編集】
長編ファッキン・シスターズ・クライストの外伝的一話読みきり短編作品集。笑い、切ない過去、素直じゃない愛情、そしてお決まりのエッチな会話。しのぶと有二のツンデレコンビは、殺人事件がなくても面白い。
(注: すべての作品がR15指定です。作品の性格上、性描写、暴力描写、差別的発言などが各所に出てきます。不快に思う人は読まないでください)
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【ボチボチと書き始めています】
いろいろあり、忙しい毎日を過ごしています。
書きたい衝動は日に日に増してくるのですが、なかなか時間が作れず、昔のようにすべてを犠牲にして書く勇気もなく、いまは我慢の時期かなと思う今日この頃。
それでも、書かずにはいられないときもあるので、短いエピソード的なものをチマチマと書いたりしています。
皆様のところへ訪問する時間はまだなかなか作れませんが、毎日少しづつですが、勉強し精進しているところですので、いましばらくお待ちくださいませ。
【ご連絡】
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こんにちは、酒井しのぶでございます。
さて、久しぶりに小説の話題です。
オリンピックのせいもあり、時事ネタが多くなっていますが、本来は小説家のブログなんですね。忘れてしまうところでした。(笑)
わたくしは高校どころか、中学すらちゃんと卒業していませんので、まともな教育を受けていません。(すっとこどっこいです。笑)
ですので、小説を書くにあたっては、まったく完全に独学です!(威張るな! 笑)
図書館などで、〝小説の書き方〟みたいなタイトルの本は何冊か読みましたが、どれもたいしたことは書いてないというか、わたくしが知りたいことは書いてないんですね。
この手の本に多い特徴として〝参考題材になる小説がある〟ってところなんです。
たとえば。
有名なミステリー小説を参考資料にして、「この本のここの部分ではこんな書き方をしています」的な説明をするわけです。
まぁここまではいいんですよ。
問題はここからです。
そもそも小説の書き方なんて本を出す人ってのは、みんな小説家さんなんですよね。(そりゃそうだ。笑)
で、そこに書かれている参考本は、その小説家さんが好きな本か、あるいは世間一般的に秀作と認定されている本なわけです。
だから、だいたいどの書き方本でも、必ずと言っていいほど〝参考に使う本をまず読破しろ〟とか〝この本を読んだことがない人は作家になる資格がない〟とかって書いてあったりするんです。
わたくし、アメリカンハードボイルドしか読みませんし、それもなんでもかんでも読むわけじゃなく、かなり狭い範囲で読んでいるだけなんですね。
だから、だいたいにしてこういう書き方本で参考に上げられる本は読んだことがないんです。
それなのに、読破してから出直してこいとか言われてもねぇ。
そんな暇がないから、書き方本を読んで知恵を身につけようって思っているんじゃないか!! って思っちゃいますよね。(爆)
というわけで、わたくしはそう言った書き方本すらまともに読んでいません。
まぁでも、歌もギターも独学だったし、ビリヤードだって独学だったし、まぁアマチュアで小説を書いていくくらいなら、独学でもいけるかな? っていう安易な考え方で書いているわけです。(適当ですいません)
で、今日はわたくしの小説の書き方を紹介しちゃおうって思っています。
書き方というか、書き上げるまでのプロセスの紹介かな?
一般的な書き方とどう違うのかとかは、わたくしにはわかりません。そもそも一般的な書き方とか、書き方の定石とかがあるのかすら知りませんけどね。
「こいつ、なんてバカな書き方しているんだ」って思う人もいるかもしれませんが、そういうときは、わたくしに聞こえないようにクスクスと笑っていてくださいませね。(笑)
そして、わたくしの書き方を見て、参考にしても構いませんが、参考にした結果がどうなるかは知りませんので、ご注意を。(笑)
その一: 構想を練る。
これはまぁ当たり前のことだと思うのですが、ネタ探しですね。
わたくしの場合、ミステリー小説ですので、殺人事件を考えます。どんな事件にするか、そのネタを考えたり探したりするんですね。
最初にテーマを考えないのは、小説はエンターテイメントだと認識しているからです。テーマよりも事件のインパクトに重点があると思っているからです。
その二: 事件を主軸に人間相関図を作る。
犯人や、それに絡む人たちの関係性を作ります。
これを作っているうちに、ストーリーの枠組みがほぼできちゃいます。
なぜかと言えば、わたくしが小説で描くのは、人間であるからです。事件は題材であり、トリックはジャンル要素であって、小説の基本は人間(キャラクター)だと思っているからですね。
誰が誰を殺して、誰に見られて、誰と共謀して、誰を騙して、といった具合に相関図を作って行けば、自ずと見えてくるものがあります。
それは〝動機〟であったり〝愛情〟であったり〝憎悪〟であったり、事件を起こす要素が見えてくるわけです。そしてそれがないと人間は描けないんですね。
わたくしの場合、この時点では犯人を主軸に相関図を作り、主人公サイドの人間はまだ絡めません。
それにはわたくしなりの理由があるのですが、それは次で話します。
その三: 主人公を事件に絡める。
はい、ここで主人公の登場です。
最初から登場させないのには理由があります。
多くの場合、ミステリーやハードボイルド小説では、主人公は探偵です。(警官や素人探偵も含めた意味です)
ですので、主人公は事件を起こす立場ではないということになります。
わたくしの書く小説は、主人公視点の一人称小説なので、当然冒頭から主人公がいるわけですが、事件そのものは小説の冒頭以前からはじまっている場合もあるんですね。
つまり、探偵小説では、まず事件ありきってことです。
だから、主人公の行動を考えるまえに、事件と事件を起こす人間たちを考えるんですね。
この段階では、主人公がどうして事件に出くわすのか、どうやって解決していくのかを、荒削りに構想します。
探偵小説の場合、ほとんどが依頼人から依頼を受けて事件に出くわします。では、依頼人は何者なのか? その二で考えた犯人サイドの人間相関図に出てくる人間なのか、そうじゃないのか。
そこら辺からはじまって、事件と主人公の関わり方を考えていきます。
その四: 年表を作成する。
これはわたくし的に一番重要なこと。
先ほど話した通り、事件は小説の冒頭以前にはじまっていることが多いので、小説に描く部分のストーリーだけを考えていては、ダメなんです。
また、トリックやアリバイにはじまり、のちに本文を書くにあたっての細かいセリフのやり取りなどで、時間や日付を間違えたりしないためにも、〝いつどこで誰がなにをどうした〟ってことを明確にしておく必要があるんです。
ここでは、実際に小説にする部分かどうかは考えずに、必要なら犯人が生まれたときから、事件が起こり解決されるまでの年表を作っていきます。
『何年何月何日何時何分にどこそこで誰が誰をどうやって殺害した』なんてことを年表に書き込んでいくんです。
よくプロットなんて言葉を耳にすることがありますが、わたくし的にはこれがそのプロットになっています。
その五: ストーリーを作成する。
ここではじめて、小説本文に書く部分のストーリーを作ります。
作るというよりも、その四で作った年表に即して、どの部分を使うかを決めて抜きだすといった感じですね。
ところで、わたくしの場合、事件は一つではなく、いくつかの事件を絡めるので、事件ごとに区分けしてストーリーを組み立てたりすることもあります。
『Aの事件のストーリーはこんな感じで、Bの事件のストーリーはこんな感じ、そしてここでAとBが絡んで、ここで主人公がその絡みに気がつく。気がついたあとはAB複合で話は展開する』などといった具合に二軸展開から後半は一本道展開にしたり、そんなことを検討するのもここでやります。
その六: 章分けをする。
その五で二軸展開を作ると書きましたが、小説は基本的に章ごとに話が進むものです。二軸だからと言って一つの章に二つの話を盛り込むのは、小説と言う媒体の構造上、無理があります。
ドラマや漫画のように場面展開を激しくできる媒体なら可能ですが、文字だけの小説で場面展開をめまぐるしくするのは、読者の思考を混乱させるだけになってしまうからです。
なので、二軸展開だった場合、それぞれを何章目に埋め込むかをここで考えることになります。
探偵小説の場合、時間軸は常に〝現在進行形〟である場合がほとんどですので、他のジャンルの小説のように〝現在→過去→現在→未来〟などといった具合に時間軸を入れ替えて書く必要はありません。
ほとんどの場合、〝今〟からはじまり、はじまった時点から時間を足していく進行をすればいいので、その点は簡単です。
AとBの二軸展開なら、第一章はA、第二章はB、第三章は一章の続きになるA、といった具合でいいんですね。
ここで考えなければならないのは、ヒントや伏線をどこに入れるかです。伏線を第一章に入れて、第二章にその答えって言うんじゃつまらなくなるので、何章か間を開けたいものです。
その七: 伏線の確認をする。
その六で散りばめた伏線に抜かりはないかの確認です。
どこに伏線をいれたか、どこでその伏線を摘み取っているか、それを確認します。
また、わたくしはこの段階で各章ごとに、軸になるセリフを作ってしまします。
人間を描く小説ですから、伏線もセリフに入ることが多くなりますし、行動による伏線の場合でも、それを匂わすセリフが必要になったりします。
章ごとに登場する人間がどんな行動をしてどんな話をするのかを、形にできていないと、伏線の散りばめ方が良いか悪いかわからないので、ここで章の中心となるであろうセリフを決めちゃいます。
行動などではなく、セリフであるところが、わたくしは重要だと思っています。
セリフが面白くなければ、小説はつまらないと思っているからです。
その八: 本文を書く。
ここまできてはじめて、本文を書きだします。
たいていの場合は、最初から順に書きますが、ときには途中から書いたりもします。
章ごとになにを書くかが決まっているので、途中からでも書けるんです。
映画やドラマの撮影でシーンをバラバラに撮っていくのと同じですね。
その九: 誤字脱字をチェックする。
全部書けたら、誤字脱字をチェックします。
この時点で、誤字脱字チェックをしながら、書き足しや書き換えなどはしません。
あくまで誤字脱字のチェックのみ。
その十: しばらく放置する。
最低一週間はほったらかして、つぎの小説の構想を練ったり、別のことをして過ごします。
これはとっても重要な工程で、一度書いたものを完全に忘れる努力をします。
完全に忘れることなんてできないのですが、なるべく忘れるようにがんばります。
音楽でもレコーディングのあとのミキシングと言われる作業でこれに似たことをやります。何日もほったらかしはしませんが、何時間か間をあけることをするんです。
これを小説に応用するのが良いのかはわかりませんが、わたくしはけっこう重要だと思っています。
その理由は次で。
その十一: 読み返して、書き換え、書き足し、削除などをする。
忘れたのちに読み返すと、書いた直後にはわからなかったこと、感じなかったことが、見えてきます。
書いた直後は書き終えた興奮でとっても良い作品になったという錯覚に襲われているので、わざと時間を置くんですね。
時間を置くことで、それまで気がつかなかったことに着目できるんです。自分のものだった小説を、一度自分から分離するために時間を置くわけです。
ここで、書き換えたり書き足したりするわけですが、わたくしの場合、余計に書いちゃっている部分を削る作業がとっても多いです。
ハードボイルド小説なのも関係しているのでしょうが、言葉数が多いとテンポが悪いので、一つ一つの文章を意味はそのままでなるべく短くする作業をします。
この作業をするにあたっては、日本語はとっても便利です。表現力に富んでいる言語なので、たとえば『コーヒーのカップを手に取った』なんて文章なら『コーヒーを手に取った』にしても同じ意味として伝わります。
そんな具合に短くしたり、あとはもう、わたくしの小説を読んだ人ならわかるでしょうが、〝――〟と〝/〟の嵐にして、文章というよりは単語や短文の集合といった格好にしていくのですが、これは単にわたくしの嗜好でしかないので、ぜんぜん一般的じゃないと思います。(笑)
その十二: 最終誤字脱字チェックをする。
最後に誤字脱字チェックをもう一度(実際には何十回も見直しますが。笑)やって完成です。
わたくしの場合、その七までの工程にほとんどの時間を費やします。
その十二までの全工程のうち、その七までがしめる時間的な割合は、四分の三くらいはあると思います。
百日間で完成する小説なら七十五日間はその七までに費やすことになります。
これはわたくしの性格のせいかもしれません。
実際に本文を書くには勢いが必要になるので、その勢いを殺さないために前段取りをしっかり作っておくというのが、その七までに時間をかける一つ目の理由です。
二つ目の理由は、早く書きたいという衝動を抑え込むためです。
抑えて抑えて、もう限界ってところで書き出したほうが、勢いが出ますからね。
あとはもう勢い任せで、本文はあっという間に書き上がります。
で、勢い任せで書いちゃったので、のちの書き直しがまた重要になるというわけですね。
そんな具合で、わたくしは小説を書いております。
ちなみに、いま現在、新作を書いていると前々から言っていますが、まだ本文には到達しておりません。(爆)
いや、実際には一度書き終わったんですけどね。
上の工程で言ったら、その十までは行ったんです。でもその十一で、こりゃダメだってなって、見直しをしているうちに、その二くらいのところに戻っちゃったんです。(笑)
ぼちぼちまた、本文を書き出す予定ですが、わたくしがいつも『小説を書いている』と言っているのは、実際には本文は書いてないことがほとんどだってことですね。(爆)
どうしようもない作家ですいません。(笑)
本日の「しのぶが思うハードボイルド」
噛みタバコをクチャクチャするハードボイルドってあまり見かけない。
以上でございます。
それではまた、酒井しのぶでございました。
さて、久しぶりに小説の話題です。
オリンピックのせいもあり、時事ネタが多くなっていますが、本来は小説家のブログなんですね。忘れてしまうところでした。(笑)
わたくしは高校どころか、中学すらちゃんと卒業していませんので、まともな教育を受けていません。(すっとこどっこいです。笑)
ですので、小説を書くにあたっては、まったく完全に独学です!(威張るな! 笑)
図書館などで、〝小説の書き方〟みたいなタイトルの本は何冊か読みましたが、どれもたいしたことは書いてないというか、わたくしが知りたいことは書いてないんですね。
この手の本に多い特徴として〝参考題材になる小説がある〟ってところなんです。
たとえば。
有名なミステリー小説を参考資料にして、「この本のここの部分ではこんな書き方をしています」的な説明をするわけです。
まぁここまではいいんですよ。
問題はここからです。
そもそも小説の書き方なんて本を出す人ってのは、みんな小説家さんなんですよね。(そりゃそうだ。笑)
で、そこに書かれている参考本は、その小説家さんが好きな本か、あるいは世間一般的に秀作と認定されている本なわけです。
だから、だいたいどの書き方本でも、必ずと言っていいほど〝参考に使う本をまず読破しろ〟とか〝この本を読んだことがない人は作家になる資格がない〟とかって書いてあったりするんです。
わたくし、アメリカンハードボイルドしか読みませんし、それもなんでもかんでも読むわけじゃなく、かなり狭い範囲で読んでいるだけなんですね。
だから、だいたいにしてこういう書き方本で参考に上げられる本は読んだことがないんです。
それなのに、読破してから出直してこいとか言われてもねぇ。
そんな暇がないから、書き方本を読んで知恵を身につけようって思っているんじゃないか!! って思っちゃいますよね。(爆)
というわけで、わたくしはそう言った書き方本すらまともに読んでいません。
まぁでも、歌もギターも独学だったし、ビリヤードだって独学だったし、まぁアマチュアで小説を書いていくくらいなら、独学でもいけるかな? っていう安易な考え方で書いているわけです。(適当ですいません)
で、今日はわたくしの小説の書き方を紹介しちゃおうって思っています。
書き方というか、書き上げるまでのプロセスの紹介かな?
一般的な書き方とどう違うのかとかは、わたくしにはわかりません。そもそも一般的な書き方とか、書き方の定石とかがあるのかすら知りませんけどね。
「こいつ、なんてバカな書き方しているんだ」って思う人もいるかもしれませんが、そういうときは、わたくしに聞こえないようにクスクスと笑っていてくださいませね。(笑)
そして、わたくしの書き方を見て、参考にしても構いませんが、参考にした結果がどうなるかは知りませんので、ご注意を。(笑)
その一: 構想を練る。
これはまぁ当たり前のことだと思うのですが、ネタ探しですね。
わたくしの場合、ミステリー小説ですので、殺人事件を考えます。どんな事件にするか、そのネタを考えたり探したりするんですね。
最初にテーマを考えないのは、小説はエンターテイメントだと認識しているからです。テーマよりも事件のインパクトに重点があると思っているからです。
その二: 事件を主軸に人間相関図を作る。
犯人や、それに絡む人たちの関係性を作ります。
これを作っているうちに、ストーリーの枠組みがほぼできちゃいます。
なぜかと言えば、わたくしが小説で描くのは、人間であるからです。事件は題材であり、トリックはジャンル要素であって、小説の基本は人間(キャラクター)だと思っているからですね。
誰が誰を殺して、誰に見られて、誰と共謀して、誰を騙して、といった具合に相関図を作って行けば、自ずと見えてくるものがあります。
それは〝動機〟であったり〝愛情〟であったり〝憎悪〟であったり、事件を起こす要素が見えてくるわけです。そしてそれがないと人間は描けないんですね。
わたくしの場合、この時点では犯人を主軸に相関図を作り、主人公サイドの人間はまだ絡めません。
それにはわたくしなりの理由があるのですが、それは次で話します。
その三: 主人公を事件に絡める。
はい、ここで主人公の登場です。
最初から登場させないのには理由があります。
多くの場合、ミステリーやハードボイルド小説では、主人公は探偵です。(警官や素人探偵も含めた意味です)
ですので、主人公は事件を起こす立場ではないということになります。
わたくしの書く小説は、主人公視点の一人称小説なので、当然冒頭から主人公がいるわけですが、事件そのものは小説の冒頭以前からはじまっている場合もあるんですね。
つまり、探偵小説では、まず事件ありきってことです。
だから、主人公の行動を考えるまえに、事件と事件を起こす人間たちを考えるんですね。
この段階では、主人公がどうして事件に出くわすのか、どうやって解決していくのかを、荒削りに構想します。
探偵小説の場合、ほとんどが依頼人から依頼を受けて事件に出くわします。では、依頼人は何者なのか? その二で考えた犯人サイドの人間相関図に出てくる人間なのか、そうじゃないのか。
そこら辺からはじまって、事件と主人公の関わり方を考えていきます。
その四: 年表を作成する。
これはわたくし的に一番重要なこと。
先ほど話した通り、事件は小説の冒頭以前にはじまっていることが多いので、小説に描く部分のストーリーだけを考えていては、ダメなんです。
また、トリックやアリバイにはじまり、のちに本文を書くにあたっての細かいセリフのやり取りなどで、時間や日付を間違えたりしないためにも、〝いつどこで誰がなにをどうした〟ってことを明確にしておく必要があるんです。
ここでは、実際に小説にする部分かどうかは考えずに、必要なら犯人が生まれたときから、事件が起こり解決されるまでの年表を作っていきます。
『何年何月何日何時何分にどこそこで誰が誰をどうやって殺害した』なんてことを年表に書き込んでいくんです。
よくプロットなんて言葉を耳にすることがありますが、わたくし的にはこれがそのプロットになっています。
その五: ストーリーを作成する。
ここではじめて、小説本文に書く部分のストーリーを作ります。
作るというよりも、その四で作った年表に即して、どの部分を使うかを決めて抜きだすといった感じですね。
ところで、わたくしの場合、事件は一つではなく、いくつかの事件を絡めるので、事件ごとに区分けしてストーリーを組み立てたりすることもあります。
『Aの事件のストーリーはこんな感じで、Bの事件のストーリーはこんな感じ、そしてここでAとBが絡んで、ここで主人公がその絡みに気がつく。気がついたあとはAB複合で話は展開する』などといった具合に二軸展開から後半は一本道展開にしたり、そんなことを検討するのもここでやります。
その六: 章分けをする。
その五で二軸展開を作ると書きましたが、小説は基本的に章ごとに話が進むものです。二軸だからと言って一つの章に二つの話を盛り込むのは、小説と言う媒体の構造上、無理があります。
ドラマや漫画のように場面展開を激しくできる媒体なら可能ですが、文字だけの小説で場面展開をめまぐるしくするのは、読者の思考を混乱させるだけになってしまうからです。
なので、二軸展開だった場合、それぞれを何章目に埋め込むかをここで考えることになります。
探偵小説の場合、時間軸は常に〝現在進行形〟である場合がほとんどですので、他のジャンルの小説のように〝現在→過去→現在→未来〟などといった具合に時間軸を入れ替えて書く必要はありません。
ほとんどの場合、〝今〟からはじまり、はじまった時点から時間を足していく進行をすればいいので、その点は簡単です。
AとBの二軸展開なら、第一章はA、第二章はB、第三章は一章の続きになるA、といった具合でいいんですね。
ここで考えなければならないのは、ヒントや伏線をどこに入れるかです。伏線を第一章に入れて、第二章にその答えって言うんじゃつまらなくなるので、何章か間を開けたいものです。
その七: 伏線の確認をする。
その六で散りばめた伏線に抜かりはないかの確認です。
どこに伏線をいれたか、どこでその伏線を摘み取っているか、それを確認します。
また、わたくしはこの段階で各章ごとに、軸になるセリフを作ってしまします。
人間を描く小説ですから、伏線もセリフに入ることが多くなりますし、行動による伏線の場合でも、それを匂わすセリフが必要になったりします。
章ごとに登場する人間がどんな行動をしてどんな話をするのかを、形にできていないと、伏線の散りばめ方が良いか悪いかわからないので、ここで章の中心となるであろうセリフを決めちゃいます。
行動などではなく、セリフであるところが、わたくしは重要だと思っています。
セリフが面白くなければ、小説はつまらないと思っているからです。
その八: 本文を書く。
ここまできてはじめて、本文を書きだします。
たいていの場合は、最初から順に書きますが、ときには途中から書いたりもします。
章ごとになにを書くかが決まっているので、途中からでも書けるんです。
映画やドラマの撮影でシーンをバラバラに撮っていくのと同じですね。
その九: 誤字脱字をチェックする。
全部書けたら、誤字脱字をチェックします。
この時点で、誤字脱字チェックをしながら、書き足しや書き換えなどはしません。
あくまで誤字脱字のチェックのみ。
その十: しばらく放置する。
最低一週間はほったらかして、つぎの小説の構想を練ったり、別のことをして過ごします。
これはとっても重要な工程で、一度書いたものを完全に忘れる努力をします。
完全に忘れることなんてできないのですが、なるべく忘れるようにがんばります。
音楽でもレコーディングのあとのミキシングと言われる作業でこれに似たことをやります。何日もほったらかしはしませんが、何時間か間をあけることをするんです。
これを小説に応用するのが良いのかはわかりませんが、わたくしはけっこう重要だと思っています。
その理由は次で。
その十一: 読み返して、書き換え、書き足し、削除などをする。
忘れたのちに読み返すと、書いた直後にはわからなかったこと、感じなかったことが、見えてきます。
書いた直後は書き終えた興奮でとっても良い作品になったという錯覚に襲われているので、わざと時間を置くんですね。
時間を置くことで、それまで気がつかなかったことに着目できるんです。自分のものだった小説を、一度自分から分離するために時間を置くわけです。
ここで、書き換えたり書き足したりするわけですが、わたくしの場合、余計に書いちゃっている部分を削る作業がとっても多いです。
ハードボイルド小説なのも関係しているのでしょうが、言葉数が多いとテンポが悪いので、一つ一つの文章を意味はそのままでなるべく短くする作業をします。
この作業をするにあたっては、日本語はとっても便利です。表現力に富んでいる言語なので、たとえば『コーヒーのカップを手に取った』なんて文章なら『コーヒーを手に取った』にしても同じ意味として伝わります。
そんな具合に短くしたり、あとはもう、わたくしの小説を読んだ人ならわかるでしょうが、〝――〟と〝/〟の嵐にして、文章というよりは単語や短文の集合といった格好にしていくのですが、これは単にわたくしの嗜好でしかないので、ぜんぜん一般的じゃないと思います。(笑)
その十二: 最終誤字脱字チェックをする。
最後に誤字脱字チェックをもう一度(実際には何十回も見直しますが。笑)やって完成です。
わたくしの場合、その七までの工程にほとんどの時間を費やします。
その十二までの全工程のうち、その七までがしめる時間的な割合は、四分の三くらいはあると思います。
百日間で完成する小説なら七十五日間はその七までに費やすことになります。
これはわたくしの性格のせいかもしれません。
実際に本文を書くには勢いが必要になるので、その勢いを殺さないために前段取りをしっかり作っておくというのが、その七までに時間をかける一つ目の理由です。
二つ目の理由は、早く書きたいという衝動を抑え込むためです。
抑えて抑えて、もう限界ってところで書き出したほうが、勢いが出ますからね。
あとはもう勢い任せで、本文はあっという間に書き上がります。
で、勢い任せで書いちゃったので、のちの書き直しがまた重要になるというわけですね。
そんな具合で、わたくしは小説を書いております。
ちなみに、いま現在、新作を書いていると前々から言っていますが、まだ本文には到達しておりません。(爆)
いや、実際には一度書き終わったんですけどね。
上の工程で言ったら、その十までは行ったんです。でもその十一で、こりゃダメだってなって、見直しをしているうちに、その二くらいのところに戻っちゃったんです。(笑)
ぼちぼちまた、本文を書き出す予定ですが、わたくしがいつも『小説を書いている』と言っているのは、実際には本文は書いてないことがほとんどだってことですね。(爆)
どうしようもない作家ですいません。(笑)
本日の「しのぶが思うハードボイルド」
噛みタバコをクチャクチャするハードボイルドってあまり見かけない。
以上でございます。
それではまた、酒井しのぶでございました。
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