くそったれジジイの嘘

　グッドモーニング・エブリバディ！　酒井しのぶでございます。


　わたくしは常日頃から、このブログにてくそったれジ……父の悪口ばっかり申しておりますが、けっしてくそったれジ……父を愛していないわけじゃないんですのよ。

　ただほら、あんまりにも腹の立つことばっかりやらかしてくれるから、蹴っ飛ばしてやりたくなるだけです。（笑）


　先月、朝早くに父から電話で『免許の更新に行くからかねをくれ』と。
　
　だいたい普通に考えて、この時点でおかしなことを言っているなというのはわかるんです。
　だって父の誕生日は１２月。
　先月は３月です。運転免許証の更新はとっくに過ぎています。


　わたくしは言いました。
「そうやってまた、お小遣いもらおうって魂胆なんでしょ？」

　父は言いました。
「期限が切れているのを忘れていたんだよ」


　やれやれです。
　期限が切れていたとは。
　まぁ、更新が５年になったしね。忘れちゃうこともあるわよね。
　それにしたって、なんだってわたくしのところにおかねの電話が。
　
　わたくしはまた言いました。
「ママにもらいなさいよ」

　父は言いました。
「あいつに言うと文句言われるから、おまえに頼んでいるんじゃないか」

　
　本当にやれやれです。
　父の話では、ママに気付かれないうちに警察署に行ってくるとのことなのですが、更新期限が切れているわけだし、地元の警察署じゃダメなんじゃないかと思いましてね。
　ネットであれこれ調べたら、半年経っていなければ地元の警察署でも大丈夫とのことだったので、住民票と保険証を持って行ってきなさいと教えてあげたんです。

　
　でも父は本当に間抜け。
　あろうことか妹に電話して、妹の運転で行こうとしましてね。

　妹は母としょちゅう連絡をとりあっては、一緒に買い物に行ったりしているんですよ。（わたくしには妹が二人いまして、子どもの頃の話によく出てくる妹はわたくしの１つ年下。こっちは８つ下の妹です）
　そんなんだから、妹は母に電話して『パパの免許書き換えに行ってくるね』と、言っちゃったわけです。

　
　それでけっきょく、父は母に怒られ、わたくしまで『なんで内緒にしているの！』と怒られる始末。


　父は嘘ばっかりつくくせに、嘘が下手なんです。

　昔、ズボンのポケットに穴が開いていたと嘘をついて、母からお小遣いをもらったことがありました。財布を持たない父だったので、おかねはいつもポケットのなかだったわけで、穴が開いているのに気がつかず、ぜんぶなくしてしまったと。

　それで、そのときはお小遣いをもらえたんですけどね。
　翌日また、同じ嘘をつきましてね。

　いくらなんでもそんな毎日毎日、ズボンに穴が開くわけないでしょとね。
　あっという間に嘘とバレるわけですが、嘘じゃないと言い張る父。


　また別のときの話。
　わたくしは家出少女だったので、早くに家を出てしまったわけですが、妹二人はずっと実家暮らしをしておりましてね。
　特にすぐ下の妹は結婚後も旦那をマスオさんにして、実家に住んでおりました。
　
　妹もわたくしと同じで、お酒が大好き。（もうこれは遺伝ですね。笑）
　妹の旦那も飲むので、発泡酒の６缶パックを毎日買ってきて、旦那と二人で飲むのが楽しみ。
　一応、父もお酒が好きだからと３人で毎晩２本づつ飲んでいたわけですが、まとめ買いしたほうがお得よねってことで、ケース買いすることになったそうな。

　ストックがあるとなると、父は毎晩浴びるように飲みだす始末。（まぁわたくしもそうなんですがね。笑）
　妹の旦那はマスオさんだから、文句も言わずにどうぞどうぞとなるわけですが、妹にしてみりゃ父の酒代で家計が火の車なんてありえない事態です。
　
　父に飲ませないというのはかわいそうだし、かといって好き放題飲まれちゃうのも困る。
　考えた妹は、小さい冷蔵庫を買って、そっちに発泡酒を移し『１本１９８円』とかって張り紙と貯金箱を設置。
　これで父もお小遣いからまかなわなければならないからそんなに飲まないだろうと思っていたわでですが、その晩、仕事から帰った妹が冷蔵庫を開けると、なかは空っぽ！！

　仕事が早くに終わって帰ってきていた父がぜんぶ飲んで寝ていたんです。
　おまけに貯金箱も空っぽ。
　妹は怒り狂い、冷蔵庫を自分の部屋へ移動して、父はそれっきり妹たちの発泡酒を飲むことができなくなったのですが、そのときもまた父は『おれは飲んでない』と、酒臭い息をまき散らして言っていたそうな。（じゃあ誰が飲むのかとかまでは考えないで言ってるのでしょうかね？　爆）


　そもそも父は、おかねの管理ができません。

　毎月まとめてお小遣いをあげると、その日のうちにぜんぶ使ってきてしまいます。
　挙句の果てには、床屋に行くからと渡したおかねをパチンコで使っちゃったり、靴を買うからと渡したおかねでビールを買ってきちゃったりとハチャメチャで、しかもその都度『靴は買ったけど盗まれた』とか、どう見ても髪は切ってないのに『ちゃんと切ってきた』などと言い張るんです。
　

　仕方なく母は、毎日仕事に行くのに必要なおかねだけを渡しているんです。


　だから父には、個人の趣味などに使うおかねがありません。
　それじゃああんまりに寂しい人生だと思うから、いつも母にこっそりとお小遣いをあげていたんですけどね。


　もう何年もまえに、わたくしの姉妹とその家族で、お正月に実家に集まったときのことでした。

　だいたいにして、女だらけの女系家族（親戚が集まると女人口が８割超えます）ですから、男はうっとうしいわけですよ。自分の旦那連中なら『あっち行け』とか言えるわけですが、父となるとそうもいかないし、わたくしたちがそれを言っちゃうと、旦那たちが遠慮しますしね。

　いい具合に酔っ払って、ホラ話だらけのうっとうしい絡みかたになってきた父を追っ払うために、わたくしはパチンコでもしてくればと、お小遣いをあげたんです。

　父がウキウキでパチンコに出掛け、うっとうしい絡みをしてくる人もいなくなり、母の機嫌も良くなってみんなで楽しく飲んでいたんです。（母は父が酔っ払うと機嫌が悪くなるんです。笑）


　夜になって帰ってきた父は、どうやらパチンコに勝ったようでルンルン気分。
　渡したおかねが増えたのなら良かったし、暇なお正月ですから、また次の日に遊ぶおかねができて良かったなと思っていたんですが、次の日もまた『小遣いくれ』と。


　なぜだ？　昨日儲けたんじゃないのか？？

　
　父は、儲かったおかねでジッポーを買ったんですよ。
　まぁそれはいいんです。父のお小遣いだから、どう使おうが文句はないんです。


　でもさ。
　わたくしがあげたお小遣いは２万。
　どうやら５万くらいになったそうなんですがね。

　
　その５万で、一万円くらいのジッポーを４つも買っちゃうってどうです？（爆）

　
　ジッポーを４つも買ってどうするんでしょうか！？
　どうせぜんぶ使ってくるなら、もっと有意義な使いかたがあるでしょう！？（笑）


　母が言いました。
「あんたはパパのことなんにもわかってないわ」
　　
　
　それっきりわたくしも、父にはお小遣いをあまりあげません。（笑）
　真面目に休まず仕事に行くし、子ども好きで、孫たちからも好かれる良い父なんですがねぇ。
　お酒とおかねに関してだけはめちゃくちゃです。（笑）

　
　そんな父。
　先日、たまたま朝早くに道でばったりあったんですよ。（実家は我が家の近所ですからね）
　夜中に目が覚めてそのまま朝まで起きていて、コンビニにタバコとお菓子を買いに行ったときでした。
　
　父はいつも、車で仕事に行っているのに、そのときは徒歩。
　

　さては、くそったれジ……パパったら免許の更新してないな！！


　わたくしは言いました。
「まだ更新に行ってないのね！？」

　父は言いました。
「行ったけど身分証明書がないとダメだって言われたんだよ」

　わたくし。
「だから、保険証と住民票を持っていかないとダメだって言ったじゃないの！」

　父。
「わかってるよ、忘れたんだよ」

　わたくし。
「で！？　おかねはちゃんと取ってあるんでしょうね？」

　父。
「あるよ。だいじょうぶだ」


　昨日の朝、父から電話。
「おい、免許の更新に行くからかねをくれ」


　ね？　蹴っ飛ばしたくなるでしょ？（爆）

　
　そして昨日の夕方、仙台から帰ってきた母からの電話。
「パパがいないんだけど、あんた知ってる？」

　わたくし。
「免許の更新に行ってるわよ」

　母。
「あんたまた騙されておかね渡したわね」

　わたくし。
「なんでよ！？　ちゃんと行くって言ってたわよ」

　母。
「だって、住民票はわたしが持ってるのよ？」


　やれやれです。もう怒る元気もありませんよ。
　笑うしかないってこういうことね、きっと。（笑）


　本日の「しのぶが思うハードボイルド」

　娘からおかねを騙し取るな！　くそったれジジイめ！！

　以上でございます。


　それではまた、酒井しのぶでございました。